◆DAY15 ゆきずりの関係

*2019年4月18日*

木曜14時からのレッスンに出たいので、朝5:30起きで勉強&仕事を済ませ、心地よい脳の疲労とともにスタジオへ。

レッスンは、引き続きヒーロの特訓。オーチョとヒーロを組み合わせたステップを練習する。あや先生のお手本を見て、どんな動きが美しいのか観察していると、色々と学びがある。

今日の気づきは、足の揃え方。
タンゴでは静止するとき、両踵をつけて足を揃えるのが鉄則だが、前オーチョが終わって足を揃える時、踵というより内くるぶしをぴったりつけるようにして、軸足でない方の足をちょっと傾けると綺麗に見える!ふむふむ。


ミロンガには20〜21時くらいから続々と人が集い、遅い時間にきたTくんが座るスペースがないほどの賑やかな夜。帰り道、ひょこひょこ歩きになってしまう位たくさん踊った。

以前から思ってたけど、さいきん特に、タンゴには「品」が大切なんだなと痛感する。女性が勝手に出しゃばって動くのはお下品なのだ。
月曜のプラクティカでもEさんに指摘されたように、あくまで男性のエスコートを待ってから動く「品」を兼ね備えていること。その奥ゆかしさと、官能的なタンゴのイメージとのギャップが、タンゴに惹かれる理由のひとつであるように思う。

あとは、「間」を楽しむ時間があること。
たとえば、男性の足を渡る時もただ「渡る」のが目的なのではなく、足を上げてそこでクロスしてみたり(「飾り足」というのか)、渡るか渡らないかの「間」をどう演出するかを楽しんでみる……つまり、1秒1秒を愛おしむ余裕があるのがタンゴ。

忙しない日常で、何事も流星のごとく過ぎ去ってしまうなかで、踊っている3分間がものすごく贅沢に感じられるのだ。そういう意味ではお茶にも通じるところがあるかもしれない。

*レッスンの目的
Mさんとは、DAY1(2/16)に踊って以来久しぶりにお会いしたので、タンゴについて色々話した。Mさんは、路子先生いわく「どのミロンガに行っても女性からのオファーが絶えない」というエスコート上手の男性。Mさんに今日聞かれて、その場は考えがまとまらなかったことを、翌朝ベッドの中で考えていた。

・タンゴのどこに惹かれるか
DAY10に書いた「仮面が外せるところ」以外だと……単純に、気持ちがいいところ(合う人と踊ると)。踊っている間は、他のことをすべて忘れられるところ。

・どんなタンゴを踊りたいか
→うっとり感のあるタンゴ(自己満足でなく、二人で気持ちよくなる)。

・内に向かうタンゴか、外に向かうタンゴか
→内に向かうタンゴ(人に見せることを意識するより、二人の世界を楽しむ)。

・現時点での目標
→ブエノスのミロンガで上手なアルゼンチン男性に誘ってもらう(笑)……というのは半分冗談として、「この人とまた踊りたい」と思わせること。

こう考えてみると、Mさん、かなりの難問を投げかけてきてたな(笑)。

Mさんが初心者の頃は、「できないことがあるから楽しい。できなくて悔しいから、頑張る」と思いながら週4踊っていたというけれど、私の場合はどうだろう。
技を磨くのが目的というよりも、うっとりと踊るために、技に気をとられないようにするためにレッスンも頑張っていると今は思っている。
「このリードはなんだろう、次に何が来るかな」とか「あっ、軸がずれたヤバイ!」なんてことばかりに意識がいくと、全然うっとり踊れないだろうし。とにかく二人の世界を大切にしたいのだ。

*タンゴとセックス
私は享楽的な人間だから、タンゴにも気持ちよさを第一に求めるけど、快楽という観点でタンゴとセックスについて朝から考えてみると(暇)、タンゴのほうが確実に精神的な満足を得られる気がする。

合わない相手との行為が気持ちよくないのはタンゴとセックスも一緒だけど、たとえ好ましい相手とでも、セックスの場合はうまくいかないこともある。その点タンゴは、気持ちが通じていれば、揺れているだけでいい。

素の自分を出せるかどうかについても、現時点ではタンゴのほうが上。
セックスでは、相手にどう見られるかを気にしたり、別のことを考えたり、少し演技してしまうこともあったり、結果的に疲れちゃったりすることもあるかもしれない。

それと、こんなことを書くのは憚られるけれど、いきずりの行為が、タンゴでは許されるということ。現実ではできないことが、タンゴの世界ではできる。

はじめて会った人間同士が抱擁して踊るのが当たり前のタンゴ。濃密な時間を過ごしても、ほんとうの名前も連絡先も知らない関係性。踊りの中だけで完結する二人。この、ある意味無責任な感じが、案外心地よかったりする。
第二の自分の居場所が、タンゴの世界にはあると感じる。


今も、もう踊りたい。次にLOCAに行けるのは月曜日(3日後)と思うと、うう辛い。
でもタンゴは一人じゃ踊れないから。早く一人でもミロンガへ行けるようになったら、もっと踊れるのに!


と、この日記を書いた数時間後、路子先生のブログを見てシンクロニシティを感じた。記事の題名は、「タンゴはひとりじゃ踊れない」。

タンゴはひとりじゃ踊れない

共感することがいっぱい。

「知性と痴性」については、常々考えること。
どちらも共存することはまれ、とは思うけど、どちらも持ち合わせている人、憧れるなあ。ぜひお友達になりたい。

「運動みたいなタンゴ」には、私も興味がない。


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