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【儲かっているのに現金がない】というよくある悩みについて

おはようございます。

【起業準備中から起業5年目までの経営ドクター】
税理士の村田佑樹です。

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※今日は2時半起きで仕事をしており、
私にとっては「おはようございます」 
の時間となります。
いつも変な時間のメールで
申し訳ありません(汗)。

■昨日は


 顧問のお客様と
 決算のお打ち合わせに。

 今年度順調な法人顧問のお客様で、

 話題は自然と税金のことに。

■結果として、


 大変業績は好調で、

 多くの納税が出る見込み
 だったのですが、

 当のご本人としては

 そんなに儲かっている
 感覚がないご様子。


 よくよく聞いてみると、

 売上自体はそんなに
 変わっていないものの、

 コロナの影響で、

 前年に比べ

 交際費や広告費、

 その他対面を伴う経費の支払いや、
 備品などの購入が

 当期に関しては少なくなっていた

 という状況。

 それで何となく

 「そんなに儲かっていないのになぁ」

 という感覚だったご様子。


 いろいろこういった感覚のズレ
 を照合していくと、

 上記の経費の点に加え、

 借入金の返済が
 そのネックになっていたことが
 分かりました。

■借入金に関しては、


 返済しても経費にはならない
 性質のもの。

 と言うのも、

 借入金の入金があったことを
 考えると分かりやすいのですが、

 借入金が入金された際は、

 これは収益ではないですよね。
 借入金の入金に対しては、
 税金はかかってこない。

 よって、借入金の入金は

 『負債』

 として計上されます。


 当然、これを返した際も

 その負債のマイナスになるわけで
 負債のマイナスは決して経費ではない

 ということですね。

 

■もちろん、


 借入金の『利息部分』
 の支払いについては

 経費になりますが、

 大きな額である
 『元金の返済』に関しては、
 経費ではない

 ということから、

 現実的な出金の面と、

 金銭感覚的な利益を考えて

 何となく

 「実際上がっている利益に比べ
 現金が少なくなっているなぁ」

 と思われた様子でした。

■このように、


 実際の現金が
 残っているかどうかの感覚と、

 利益が上がっているかどうかの感覚は、
 
 こういった理由から

 必ずしも
 イコールとはならない

 ということが
 少なからずあります。

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■このほかにも、


 『売掛金』や『買掛金』
 についても

 その認識のズレが
 出てくることがありますね。


 『売掛金』については、

 収入は上がっているものの、

 現金での回収は
 できていないものなので、

 上がっている利益に対して
 現金がない状況になります。


 一方、

 『買掛金』はその逆で、

 仕入れなどの経費は
 上がっているものの、

 実際の現金は
 残っている状態ですので、

 現金が残っているにもかかわらず、
 利益が出ていない

 という状況になるわけです。

■また、


 30万円以上の
 資産の購入についても、

 一括して
 経費にはならないため、

 この資産の購入による
 現金の支出と、

 実際の経費との間に
 ズレが生じており、

 このようなことを通じて、

 【利益と手元の現金との
 ズレが生じている】

 というわけですね。

 これがその
 【感覚のズレ】に直結している

 ということが言えます。

■こういったことから考えると、


 経営において大切なことは、

 利益を残すというよりも、
 
 【手元の現金を
 いかにして大きくしていくか】

 ということでしょう。
 
 利益が上がってて現金が残ってないのは
 元も子もないですから…
 

■上述した


 『売掛金』『買掛金』
 については、

 売掛金は
 なるべく早期に現金での回収
 を実現すること。

 ベストなのは

 売掛金がない状態で、
 常に現金回収をしている状況。

 それが難しいようでしたら、

 仮に売掛金の回収が
 翌々月になっているものを、

 それを交渉して
 翌月に変更してもらったり、

 逆に

 買掛金については

 翌月の支払いになっているものを、
 翌々月に変更してもらう

 ということをも有用でしょう。
 (交渉には少しの勇気が必要ですね(!))

■最も注意しないといけないのは


 買掛金の支払いが
 売掛金の入金より前倒しになっている

 という状況。

 業種によっては
 どうしても調整がきかない部分も
 あるかもしれませんが、
 
 資金繰りを回すためには、
 この支払いと入金のタイムラグにあたる
 部分を手当てするために、

 しっかりと融資を調達したいところです。


 また、

 在庫についても、

 これは経費とならない上、

 現金が出て行ってしまっている
 状況ですので、

 【極力在庫を持たない】

 ということも
 選択肢の一つでしょう。


 
■【経営においての血液】

 である『現金預金』。
 
 【キャッシュをいかにして
 多く手元に残していくか】

 ということを常に考えながら、
 経営を進めていきたいところですね。


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《本日の微粒子企業の心構え》


・損益計算書上の利益と、
 実際の手元に残っている現金とは、

 売掛金や買掛金、借入金の返済などにより
 その感覚との【ズレ】があるもの
 と心得ておくべし。


・経営においての資金繰りは
 死活問題であるため、

 しっかりと上述した
 売掛金の回収、
 買掛金の支払いサイトを調整し、
 また、極力在庫を持たないようにするなどして、

 経営の潤滑油となる【現金】を
 いかにして多く手元に置いておくことが
 できるかどうか、
 常に思索を巡らせるべし。

今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。


これまで書いてきた記事は、
バックナンバーとして、
私の公式HPの【ブログ】に
アップしていますので、
よかったらご覧くださいませ。^^

https://muratax.com/blog/

起業準備中から起業5年目までの経営ドクター
税理士 村田佑樹

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