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【AIR】コロナ禍で注目のタクシー×デリバリー

リモートワークの実施率アップや外出自粛による家時間の増加等、新型コロナウイルス感染拡大防止のため自宅で過ごす人が急増しています。こうした社会背景を受け飲食業界では宅配サービスのニーズも急増しています。Ubereatsや出前館といったデリバリーサービス事業者は特需に湧きながらもその裏で熾烈な競争を繰り広げているようです。

・料理宅配、需要増で大混戦 出前館・ウーバー6割増

https://r.nikkei.com/article/DGXMZO58534650X20C20A4TJ1000?s=3

しかしスマホアプリで好きなお店のメニューを注文し、配達員が配達してくれるというスマートなデリバリーが実施可能なのはまだ限られた都市部だけでして。筆者もニュースでよく目にするUbereatsを試してみようとアプリを検索したところ、そもそも栃木県宇都宮市はまだ対象エリアになっておりません(涙)。おそらく地方の市街地や郊外で飲食店をされている方の中には、テイクアウトの他にできるならデリバリーもやってみようと思うけど、宅配してくれる事業者がそもそもいないというケースも多いのではないでしょうか?

そこで始まっているのが地域のタクシー事業者と飲食店が連携したデリバリーです。国土交通省が今回の事態を受け、タクシーが有償貨物輸送ができるよう9月末までの期限付きで特例措置を打ち出しています。あくまで乗客の大幅減少で事業継続や雇用維持が難しくなっているタクシー事業者の支援策の一貫という趣旨です。

・タクシー配送全国900社に急増、9月末まで措置延長

https://www.logi-today.com/376199

ご存知の方も多いかと思いますが、郵便や宅配貨物等の貨物輸送事業と鉄道、バス、タクシー等の旅客輸送事業は、明確に線引がされており同一車両・運転者が両方を掛け持ちすることは規制でできないことになっていました。それが人口減少が進み過疎地域が今後も増えていくことを見越し、移動や物流サービスの持続可能性を確保するため2017年からを同じ車両を利用して実施する「貨客混載」の取り組みを国土交通省では進めていました。

・貨客混載を通じて自動車運送業の生産性向上を促進します~過疎地域等で人流・物流の「かけもち」を可能に〜

https://www.mlit.go.jp/common/001190938.pdf

こうして仕込んでいた種が、コロナショックで突如盛り上がっている飲食業界におけるデリバリー需要とタクシー業界における苦境が思いがけずマッチングし、ごく限られた事業者が実証実験的に取り組んでいた貨客混載が、地域のタクシー事業者も導入を始めもう一段回裾野が拡がったのではないでしょうか。

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