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音楽

この前、平沢進のライブ配信があってその熱で動画を漁りまくってたんだけど。公式チャンネルにラジオみたいなシリーズがあって、そこでの質問コーナーの話。
「平沢進のライブ映像を吹奏楽部の後輩に見せたらドン引きされました。そこで赤の他人に進めるとしたらどの曲がいいでしょうか。」こんな感じの質問。もっと沼にはめたいみたいなニュアンスだったけど割愛。答えはヒラサワを知ってる人なら大体わかる。
「それはありません、進めないでください。音楽というのはその人の感受性ができるに至る履歴も含めて、はじめて出会ったときに良い悪いが判断できるような、バックボーンのうえで反応するものですから平沢の音楽に自然と出会って良いと思えないのなら進めないでください」
そして自身の感覚を続けて
「例えば私は外で流れるBGMがJpopだと非常に不愉快になります。大嫌いだからです。気持ち悪いです。そもそも、あんな上っ面、上辺だけの作文のような言葉を並べたものをいい大人たちが寄ってたかって作って、しかも商品化して買う人がいるというのが今でも信じられません。そういうのを進められたら拒否します。だから、そういうのを好む人からしても私の音楽は気持ち悪いと思いますので、無理に進めないでください」

すごいこと言うな。僕も気づかされる。そうだ、僕も上辺だけの言葉嫌いだ。音楽もインスタントになってきて、センスや技術面を追いかけてみたけど、疲れた。僕は歌詞もメロディも自分として歌う人が好きだ。最近の椎名林檎はなぜか聞けない、僕に必要ないからかもしれないけど。
この前、役者さんが歌うとすごいことが起きるという新たな発見があった。友人に教えてもらった満島ひかりの群青って曲はびっくり。歌になりきるというか、曲の終盤ではすっかり聞き入ってしまう。演じてるんだ、面白いなぁ。
ヒラサワさん、ありがとうございます。本音を語ってくれて、僕も本音を語ります。

続いて、サカナクションの山口一郎さん、Forbesのインタビューから、
「音楽やめようと思って一回だけ面接に行った。結婚式場のカメラマン。挫折して趣味で音楽やればいいかなって。カメラマンになろうと思ったけど、求人では結婚式場の写真を撮る仕事しかなくて、それで面接に行って、面接してくれたの女性の方だったんですけど。その人と話した瞬間に、全然自分と違う人種だって思ったんですよ。この精神的に違う人たちと自分は生きていくのは絶対無理だと思ったし、自分には音楽しかないんだっていうのをその瞬間悟りましたね」

そうそうそう!syrup16gの五十嵐さんも「居酒屋でみんな飲んでて、ワイワイやって楽しくて、それでも何処かふとした瞬間に孤独を感じる、そんなときに聞ける音楽を目指してる」なんて言ってた。大衆的感覚から個人の感覚へ目を向けている歌が好きだ。周知の言葉を歌にして何の価値がある。僕は世界にたった一人のあなたが知りたい。自分のことを飾らず歌ってくれよ。普通に話して引かれても歌にしたら引かれないから。枠なんてないんだよ。あなたの歌を聞かせて!

そしてこの叫びは、「自分の歌を歌いたい、自分をさらけ出したい」という逆説でもある。表現しよう。怖くないよ。

次に手に入れる音楽は長谷川健一さんのニューアルバムです。楽しみ。

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