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ムラサキ
2020年9月27日 10:19
僕の密室に。女が居る。夏の匂いが未だ残る残暑の季節。彼女は上気していた。肌を湿潤させ、頬が薄い紅色に染まる。艶のある鬢髪が幾条、その貌に張り付いて、潤んだ目で僕を見て、口唇を震わす。*****小さな唇は戸惑い乍ら言葉を探していた。唇の蠢動が全身に伝播して、彼女は振戦えながら細かな吐息を繰り返すのであった。平たい胸の膨らみの奥に隠す心臓の拍動が彼女が纏った空気をも震わせているようであ