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スタンドアップコメディアンに近づけた日

シュワルツェネッガーことターミネーターでおなじみシュワちゃんが2003年、カリフォルニア州知事選挙活動中に反対派の聴衆に生卵を投げつけられ、しかし顔色一つ変えず上着についた生卵をぬぐい「ベーコンも一緒にくれ」と返し会場の大歓声を浴びたらしい。驚きと怒りを堪えてジョークで返す。これはスタンドアップコメディの基本だ。厳しい観客から時には心無いヤジも飛んでくる。トレバーノアという南アフリカ出身の黒人のコメディアンはイギリスでスタンドアップコメディをしてる時に客席から「舞台から降りろ」とヤジを飛ばされ「それで終わりか?僕の故郷の南アフリカの白人は催涙ガスをかけてくる」と返して爆笑をとった。怒りを押し殺してユーモアで返す。テキサスのオースティンという街にきた初日、笑いの力を痛感した。乗ったタクシーの運転手のおじさんが住所をナビに打ち間違え、目的地とは真逆のど田舎のほうに90分ほど走って行ってしまった。僕が通う語学学校の寮に着く予定が気付けば荒地だらけの民家もないようなところに。途中で運転手が気付き、平謝りして、戻って目的地に着いたのは約2時間半ほど。本来なら2.30分で着く予定が。エチオピアからきた黒人のおじさんはひたすら謝りながら会社には言わないでほしいを繰り返していた。正直マジか、とは思ったがあまりに思いつめたおじさんをみて「Nice trip!」と片言で言ったら彼はoh.my.got!! Thankyou と連呼しながらハグをしてきた。僕は笑顔で、怒りに震えた握りこぶしをみせないよう彼にハグをした。ひとつコメディアンに近づいた気がしたテキサスの初日。

これから2週間、ひたすらネタを作って英語の先生に発音を教えてもらいオースティンのコメディ劇場に飛び込みまくる。

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