都知事選の前に言いたいこと

僕らは気付いたらいまここにいる。ある人は気付いたら日本にいてある人はアメリカにある人は北朝鮮にある人は韓国に、ある人は空から爆弾が落ちてくるような国に。おれはいつのまにか日本で育ち気付いたらなに不自由ない暮らしをしていた。ある人は気付いたら日本に生まれた、しかしその人のおじいちゃんおばあちゃんは朝鮮からやってきた。

人はそれを連れてこられたというし人はそれを仕事を求めてきたともいう。本当は連れてこられたんだよ、というし、本当は仕事できたんだよ、ともいう。彼らは在日朝鮮人と言われる、彼らの国籍は韓国であったり北朝鮮であったり二つに分かれる前の朝鮮であったりする。彼らのことを嫌う日本人がいる。これらを一人の存在として、ではなく、国籍でみる。

彼らに帰化しろという。帰化というのは国籍を日本にしろという。日本でやっていきたいなら、という。彼らは国籍を変えないし朝鮮学校に通う、帰化して日本名にして学校も公立に行けば、ギャンギャン言われなくなるのに、彼らには選挙権はない、彼らがこういう世の中にしたいと思っても、投票できない。彼らに民主主義は存在しない。彼らも同じように税金を納めてる。

けど彼らに不都合なことが多い国だ。日本人として大事なことは、と叫ぶ人がいる。その人たちは誰かの大事なものを傷つけようとしてないだろうか、自分が誰かの大切なものを守らないと誰かもあなたの大切なものを守ってくれない。ここは日本だーって子供のように怒っても、彼らにはわからない。なぜなら彼らは気付いたらここにいた。そして僕たちも気付いたらここにいた。世界には国がたくさんある。国民がひとつになったら国は強くなる。だけど、考えも思想も宗教もひとつにするということは、誰かの大切なものを変えさせるということだ。

中国はそれでチベットやロヒンギャの人たちの大切なものを中国の色に変えさせようとしてひどいことをたくさんしてる。消しゴムの数をなるべく多く集めて大きな国を作るかのように台湾や香港も中国は飲み込んでどんどん大きくなろうとしてる。ひとつの大きさがどんどん大きくなっていく。横にペースを崩してくるペースメーカーがいたら大変だ、ペースというのは自然と崩れてくる。

あの頃の民主主義といまの民主主義は違うだろう。横の国が他を一色に染めながら大きくなってきたら私たちももうしわけないけど、一色にさせてもらうぜ、と、誰かの大切なものを多数側に染めて1色にして統制させようとする。そこでおれは考えて欲しい、染められるのが自分だとしたら?日本にいたら自然と染まっていく、いつのまにか日本はアメリカ色に染まっていった、食べ物、考え方、いろんなものが。世界はすごくシンプルだ。

染めあってる。あなたの色に染めたいのかもしれないがあなたがあなたの大事なものを染められたらあなたは何ていう?気付いたらおれたちはここにいて、ここの教育を受けて教えてもらったことが正しいと思い込まされてる。

思い込むことによって、みんなにそう思い込ませることによって僕らはひとつになる。でもそれは僕らは、であって、それ以外の人を僕らの、らに加えてない。一色にするなら人間なんていらない。生きてる意味はない。僕らは出会う人たち、考えること全員が違う。

違いは学びだ、何でそうなんだ、と責めるより、それってどうなの?教えて?と違いから学べばいい。都知事選で在日朝鮮人の人たちを一色に染めさそうとする差別する人たちが出馬してる。それを、いいぞいいぞ、という人たちも多くいる。自分は差別しないよ、ではない。差別する人間を許さないことが必要だ。

それは政治とか関係ない、人を思うことは自分を思いやすることだ。

在日朝鮮人は国へ帰れーって叫ぶ連中を頭が悪い、原始人だ、と言ったことがある。すると彼らはこう言った。差別だ!と。自分のことになって初めて馬鹿にされる悔しさを知る。自分ごとに盲目になって誰かの悲しみは他人事なんだよ。自分ごとに盲目になるな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?