読書メモ(メタ思考トレーニング)

■感想

・会社からの優先図書ということもあり読んだ。現状を正しく認識することが改善を行うためには必要であるということを再認識するとともにその難しさを感じた。本書で特に思ったのはできるとわかるの違いである。例題が多くわかった気になっていたのに解けないという場面が多くもどかしい気持ちになることが多々あった。これもわかったということをメタ認知できていないが故である。いってることとやってることが違うということを大前提にして生活をしていきたいと強く思った。

■作者と概要

・作者は細谷功。「無知の無知」による思考停止に陥る前に一歩立ち止まって「1つ上から見ること」で新しい発想や成長の機会を増やすことを期待して書かれた本。why思考とアナロジー思考について書かれている

■よかったインプットメモ

・メタ思考とは「物事を1つ上の視点から考えること」である。自己矛盾(いってることとやってることが違うこと)=無知の知に気づくことが大切であり、それは「他者を変えようとする」のでなく、「自分を変えようとすること」である

・依頼されたことに対して「どうやるか」ではなく「なぜやるかそもそもの目的」に目を向けるのがwhy思考である。why思考により「そもそも問題がどこにあるのか」解くべきイシューを見つけることができる。

・5w1hの中でwhyだけが前後の関係性で語られる線の疑問詞であり、繰り返すことで深堀りが可能である唯一の前置詞である。

・why思考にはデメリットもある。1つ目が一度立ち止まって考えるため時間がかかるということ。2つ目が「なぜ」の連発が相手を不快にさせることである。聞き方は非常に重要である

・手段の目的化は往々にして転がっている。よくある例として①調査②分析③調整③レビュー④システム導入⑤管理⑥統合⑦見える化や可視化 がある。

・アナロジー思考とは類推(類似のものから推測すること)である。アナロジー思考の基本にあるのは複数の具体的な事象に高次の共通点を見つけて一般化するいわば抽象化である。

・アナロジーとロジックは良くも悪くも正反対であり、アナロジーはロジックに比べて論理の飛躍が起きるというデメリットもある

・折り曲げの法則とは長所は短所であり短所は長所であることである。「不満が多い人」と「アイデアマン」が現状に満足していない点では同じである。

・メタ認知を鍛えるヒントは3つある。1つ目は自分にツッコミを入れることである。もう一人の自分の視点を持つこと。自虐が得意な人はメタ認知も得意である。2つ目は性格が悪くなることである。why思考はいわば疑ってかかることでありこの思考を好む人は他人と蒸れない人が多い。3つ目は共通点を探すことである。過度に一般化せずに按配が大切である。初対面の時の共通点探しが得意な人がこれである。



■実践編

・「この前の飲み会短かったね」に対しての回答を考えよ。短いなら長くするでは短絡的な思考であり、why=上位目的を考えることでより良い解決策が提示的る。この場合①特定の話したい人と十分な話ができなかった②飲み足りなかった などが考えられる。「楽しかった」が真意であるならば「前回と同じ楽しさをキープすること」がより良い解決策になる。(その他に部門別会計の例、本社企画と現場との例など。)

・回転寿司以外に回転〇〇のアイデアを考えよ。ポイントとして①類似の食べ物からどこまで遠くに特徴を飛ばして考えられるか②回転の仕方の抽象度の高さ③成功要因の抽象度の高さ④ユーザー側、提供者側双方の視点があるか がある。①少量ずつ小分けになっている⇨種類に多様性がある ②見込み生産型と受注生産型の組み合わせである⇨賞味期限が短いリスクをヘッジ。(その他に信号機と特急列車の共通点(増えるけど減らない)やバイキングの例)


■その他メモ

・戦略とは戦う土俵を決めることであり、戦術とは決められた土俵での戦い方を決めることである

・タイでは回転寿司ならぬ回転しゃぶしゃぶがある。

・バイキングの店側のメリットは①配膳係が少なくて済む②需要と供給を同期させることなく見込み生産ができるので厨房の負荷を平準化できる③顧客ニーズを満たしている④会計が定額で楽 がある。配膳に手間がかかったりすぐに食べる必要性のあるラーメンは向かない。また、売上に上限がかけられることから規模の経済が効きにくい固定比率が大きいモデルが適している。(システムなど)

・ハエトリグサにとって罠を閉じることは非常にエネルギーを使うため間違いは許されない行為である。そのため間違えないように罠の中の細い糸状のものがあるが、一定時間内に複数回完治した場合罠が閉じる仕掛けになっている。抽象化すると①非常に重要で間違いが許されない②身長んありすぎては機会を逸してしまう 機能を要する。火災報知器のような警報やロック機能の解除などが同様のメカニズムに当たる

・古畑任三郎のような最初に犯人がわかるようなドラマ構成により、毎回超大物ゲストを呼ぶことができる。なぜならば最後に犯人がわかる形でだと超大物ゲスト=犯人という推理が容易に成り立ってしまうから。

・技術がニーズを追い越すと使われない機能が増え、過剰サービスになり優位性を失う。

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