むらの工作室通信vol.14「リムルベーンの挑戦~ミツバチが自分の巣を識別できる表札をつくりたい」
今日は、西粟倉村で養蜂行っているReml behn(リムルベーン)の講神(こうじん)さんが工作室にやってきました。
リムルベーンさんは“森から生まれ、森を産み出す蜂蜜づくり”というコンセプトを掲げ、西粟倉村で養蜂事業を行う蜂蜜ブランドです。
そんな素敵な養蜂家さん、今日は工作室でどんなことをされるのでしょうか。今回の工作室通信はリムルベーンさんの制作レポートをお届けします。
ミツバチが巣箱を識別できる表札を作りたい!
👨「今日はミツバチの巣箱につける目印、人間の家でいえば表札のようなものを作りに来ました。
ミツバチは自分が決めた巣箱にしか戻りません。ちゃんと自分の家が決まっているし、自分の家を識別できるんです。でも間違えて自分の巣箱以外の巣箱に入ってしまうミツバチもいるんですね。そうすると、巣箱のなかでケンカがおきたりしてしまいます。
そのため今日は工作室でミツバチが自分の巣箱を認識しやすくなるような目印のようなものを作りたいと思っています。」
ミツバチが自分の家を決めている、とは驚きです。
Webで調べてみると、巣箱の識別に関する質問投稿を見つけました。
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<質問全文はこちらから>
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問者さんはミツバチが間違えて自分の家ではない巣箱に入らないよう、巣箱に色違いのガムテープを貼って試されていました。この質問に対して「箱に目印マークを鋲止めしています(四葉のクローバー、初心者、身障者、紅葉マークを貼ってます)」という回答をされている人も。
なるほど、、、!ミツバチが自分の巣箱を間違えないように、いろいろ試されているようです。リムルベーンさんはどんな目印を作るのでしょうか?
レーザーカッターで作ってみた
持参された材料は木材。これをレーザーカッターにセット。
そして作成したデザインデータをレーザーカッターのPCで読み込みます。
レーザーカッターを使って切り出したものがこちらです。
✨✨ミツバチの巣の形、六角形!!
これがどんな風に巣箱に施されるのでしょう?
実際にミツバチの巣箱に施したあとの巣箱を見せていただきました。
👨「こういったミツバチの巣箱の表札は海外ではやっているようなんですけど、日本ではまだメジャーではありません。そのため情報が少なく、すべて手探りですね~。
今回はこの大きさ、厚さで製作したんですけど、事例が少ないので試行錯誤です。どんな色がいいのか、どんな大きさがいいのか、どんな厚さがいいのか、とりつけたらいい数などもわかっていません。なので、これからデータをとりながらミツバチにとって一番いいものを作りたいと考えています」
むらの工作室を利用してみてどうでしたか?
👨「2つありますね。
木材を1つ1つ手で加工して作るのは大変ですけど、レーザーカッターを使うことで簡単に作ることができました。
また、外注すると小ロットで金額が高くつくことと、届くまでに時間もかかるのがネック。でも、工作室で自分で作ることによってそのネックは解消され、早く、安く作ることができました」
これから得られるデータを分析し、設計に反映させながらミツバチの巣箱の表札を進化させていくリムルベーンさん。ミツバチにいい環境を作ることでミツバチが元気に活動できる。ミツバチへの想いがこもったモノづくりの光景を見せていただきました。
試行を重ねるものほど作ってみよう!
デジタルファブリケーション(今回はレーザーカッター)を使って自分で製作をすると、コストがかかる“型”が必要なかったり、資材も少量からでトライできます。なにより、自分ならではのアイディアを反映をさせオンリーワンのモノづくりという醍醐味を体感することができます。
デジタルファブリケーションではデータを変更すればすぐ形状に反映できるため、複数のデザインや試作のブラッシュアップを手間をかけずに進めることができます。また、欲しいときに製作が可能なので、実験的に試行錯誤を重ねる挑戦のモノづくりに適しているといえます。
皆さんの事業にもぜひ工作室をお役立てください。
最後までお読みいただきありがとうございました。