むらの工作室通信vol.12『道具を学ぼう~“道具検定”がもたらした効果とは』
むらの工作室には、デジファブ、電動工具、工作に使う様々な道具など、多種多様な道具が揃っています。
自分が作りたいものについて、どんな道具を使うことが適切なのか、またその道具を使うときの注意点などを楽しく学んでもらうため、道具検定をはじめました。(対象:子ども〜大人)
今回は小学生の道具検定の様子をレポートします!
道具検定導入の背景・目的
みなさんは、作りたいものがあるとき、どんな道具を使ったらいいか具体的にイメージすることができますか?
例えば、段ボールをカットして組み立てるとき、接着剤はなにがいいでしょう?のり?テープ?ボンド?それともグルーガン?
接着できるものだけでもこんなに選択肢があります。
ものづくりでは作るものや素材の特徴などに応じて適切に道具を使うことが鍵となります。
適切に道具を使うことが、安全性・品質・作業効率の向上などに繋がっていくためです。
工作室を利用していただく方々に、道具の特長や注意点を楽しく学んでもらいたい、そう考え「検定」という形で道具に関するインプットの機会を作りました。
<道具検定の目的>
①道具についての知識を広げ、ものづくりをする上での引き出しを増やす
むらの工作室には様々な道具があり、中には日常ではあまり使わないものもあります。
検定では道具を「切る」「貼る・くっつける」などの分類に分け、道具ごとの特徴や注意点、使い方について学びます。
このように「こういう加工をしたい!」と思った時の入口として検定を設けることによって、ものづくりをする上での引き出しが増えていきます。
また、検定証を作り、合格したらシールがもらえる仕組みにすることで、ゲーム感覚で検定自体を楽しんでいたらいつの間にか引き出しが増えていた、という状況になったら嬉しいなと思います。
②道具の使用ルールを明確にし、守ってもらう
道具は正しく使うことができれば子どもでも扱えるし、間違った使い方をすれば大人でも怪我をします。
したがって、道具の使用を年齢によって制限するのではなく、人やものを大切にするために何を守ればいいのか、というルールを明確にし、守ってもらうために検定を設けています。
また、検定は一度合格すれば終わりではなく、合格後もルールを守れていない場合は資格が取り消されます。
検定は「アドバンスクラス(初級者)」(4項目20種類)と「マスターランク(上級者)」(4項目11種類)の2つのクラスがあります。
今日は小学1年生と2年生がアドバンスクラスの①項目、絵具、テープ、のり、ボンド、接着剤の検定に挑戦!
道具を知ろう!学ぼう!
まずは検定する道具を選ぶことから始まります。
ちゃんと選べるかな~?
選んできた道具をテーブルに乗せて検定開始!
👨「工作室には2種類の絵の具があります。アクリル絵の具と水彩絵の具です。この2種類の絵の具の違いを知っているかな?」
小学生「・・・・わかんない」
👨「アクリル絵の具は、水彩絵の具と異なり、一度乾くと水に強いという特徴があるんだ。」
小学生「へーーー!!!そうなんだ!!」
👨「水彩絵の具もアクリル絵の具も、使い終わったらすぐに蓋を締めたり、筆やパレットをきちんと洗うことが大切。特にアクリル絵の具は乾いたら水に強くなるから、水彩絵の具よりも気を付ける必要があることがポイントだね。」
👨「これはなにかな?どういうときに使うかな?」
小学生「テープ!なんかとなんかをくっつけるときに使うよ!」
👨「正解!よくわかっているね!」
小学生「わーい!やったー!」
理解度を確かめる
👨「今日学んだ道具全体の確認をするよ。使うときの注意事項を教えてくれるかな」
小学生「使う分だけを出すこと!出しすぎないこと!」
小学生「蓋があるやつ、絵の具とかボンドとか接着剤とかは使ったらすぐに蓋をしないとカチカチになっちゃう」
小学生「絵の具を使うときに一緒に使う筆やパレットは使ったら洗うこと」
👨「大正解!」
👨「それじゃあ、次、接着剤を使うときの注意事項を1つ教えて」
小学生「手についたら大変だから気を付ける」
👨「正解!じゃあ、もし手についてしまったらどうしたらいいんだっけ?」
小学生「お湯につけてゆっくり洗う!」
👨「正解!」
小学生のこどもたちは道具の適切な使い方を理解して、積極的に発言をしてくれました。はなまるの大合格です!
検定を導入するまでは、そのときそのときで道具の注意点などを教えてきました。しかしそれだと、レクチャーするポイントがスタッフによりまちまちでずれが生じたりするなどのことがありました。
検定を導入することで、情報の均一化を図ることができ、工作室を利用する方々にとって、工作室にどんな道具があるのか、何を使ったらどんなことができるのか、みんなで楽しく学ぶ機会を作ることができるようになりました。運営側にも利用する側にもいい戦略になりました。
今後は、デジファブについても検定を導入していこうかと考えています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?