
むらの工作室通信vol.15「西粟倉村教育委員会&一般社団法人Nest オーストラリアの生徒さんに想いを伝える名札づくり」
むらの工作室は、年齢・職業・地域を超えた多様な人たちが集まり、お互いに尊重し合い、新しいモノやコトが生まれる空間を目指して、工具やデジタル工作機械(※)の貸出および利用サポート、ものづくり体験ワークショップの開催などを行っています。
この施設は人口約1,350人の中山間地域、岡山県西粟倉村にて村民や関係人口の方々がテクノロジーを新しい手段としてもっと身近に使える工作スペースとして、西粟倉むらまるごと研究所が運営しています。
※デジタル工作機械…3Dプリンター・レーザーカッター・UVプリンターなど
今回の工作室通信は、オーストラリアから来日されたマーター・デイ・カトリック・カレッジの生徒さんが工作室を訪問された様子、そして西粟倉村が彼らに贈ったもののレポートをお届けします。
G'day(こんにちは)!
2024年10月10日-13日の3日間、西粟倉村の教育委員会の受け入れにより、オーストラリアのマーター・デイ・カトリック・カレッジから24名の生徒が西粟倉村を視察訪問されました。
視察プログラムの一環で、むらの工作室にも来訪くださり、工作室マネージャーのざっきーが、西粟倉村の“創作の場”である工作室の取組みを紹介しました。


贈り物を作りたい!
「視察に来られる皆さんに贈り物を作りたい!」と、西粟倉村の教育委員会と視察受け入れ団体のひとつである一般社団法人Nest(以下Nest)の方々から今回ご相談をいただきました。
日本らしさを感じられる千社札のような名札を作りたいとのことで、製作したものがこちらです。
西粟倉周辺で採れたヒノキを使い、レーザーカッターで彫刻・カットして名札を製作しました。

(全部で29個作成。写真は作成したものの一部です)
外国の方々の名前を表記するならば、英文字またはカタカナが一般的と思われますが、今回はなんと“漢字“!
来られる生徒さんの名前を漢字に当てはめるという面白さ!
教育委員会とNestスタッフの方々が考えた漢字の組み合わせの発想の豊かさたるや、拍手ものです✨
例えば、、、、
エミリア ➡ 笑莉愛
マドレーン ➡ 円恋
アダム ➡ 愛抱夢
写真にはありませんが
モリー ➡ 森 林
もはや当て字を超えている発想力!!
<作成工程>
①参加者の名前から漢字の組み合わせを考案し、名札のデザインを作成
②工作室にてデータの調整
③工作室のレーザーカッターで出力し、彫刻と切り出し


想いは伝わるか....?
この名札の贈呈は西粟倉村内の「あわくら会館」で行われました。



笑顔~!☺☺✨✨
「日本へようこそ!」「西粟倉へようこそ!」「いい思い出に!」という想いを込めて作った名札。
その想いを受け取ってくれたことがわかる笑顔ですね☺
オーストラリアに帰ってもこの名札を見て西粟倉のことを思い浮かべてくれるかな。この名札がオーストラリアと西粟倉をつなぐアイテムになったら、工作室もうれしいです。
ちなみに、今回の研修において生徒の皆さんは、西粟倉中学校の授業に日本語で参加したり、日本文化を体験する「夏祭り風ウェルカムフェスティバル」、もちつき、村内散策などを体験されたとのこと。
今回の研修旅行では西粟倉のほかに、東京や大阪、広島などの都市も巡られたそうなのですが、帰国後の感想では『西粟倉村での経験の満足度が高かった』とのことです。(参考:広報「にしあわくら」12月号)


「想い」をカタチにできる場所、それが工作室
-どんなものを贈ったら嬉しいかな?🤔
相手に物を贈るとき、一生懸命想像して考えます。
-自分の手で作ったら、より想いが伝わるかも?🤔
相手のことを想って手を動かす時間も贈り物。
モノを創作する醍醐味、それは目には見えない「想い」を具現化することができること。工作室は、皆さんの想い、アイデアを形にすることができる場所です。そして、アイデアを表現していく中で皆さんが思い描く未来に一歩近づくことができるかもしれません。
「こんなものを作ってみたい」と思ったら、いつでも工作室にどうぞ✨
ちなみに、、、
マネージャーのざっきーが「学校に3Dプリンターやレーザーカッターはありますか?」と聞くと、「Yes!」とのこと。
学校にはレーザーカッターなどのデジタル工作機械が設置されていて、授業などで使う経験を積むことができる環境が整っているのだそう。
ほほう。オーストラリアの教育、ちょっと見てみましょう。
オーストラリアのデジファブを活用した教育とは
オーストラリアのことを調べてみると、こんな記事がありました。
オーストラリアの国公立の教育システムやカリキュラムは州政府ごとによって異なっており、州の教育省が管轄を行っている。今回3Dプリンターが導入されたのはオーストラリアのビクトリア州であり、州政府が資金提供を行って高校に3Dプリンターの導入を行った。ビクトリア州では19校に対して3Dプリンター導入を行うとともに教育カリキュラムの見直しも図っているようだ。
3Dプリンターを入れたカリキュラムは単純に使い方を学ぶのではなく、科学、数学、工学、技術、芸術の分野にまたがって学ぶ仕組みになるとのこと。
こうした3Dプリント技術の教育への導入は学生たちにデジタルによる自由なものづくりの発想法を身に着けさせることを目的としている。
公開日:2013年11月11日
更新日:2022年4月22日
「使い方」を学ぶのではなく、科学、数学、工学、技術、芸術の分野にまたがって学ぶ、というところが特色のように思います。使い方を学んだとしても、「じゃあ、それで何ができるの?」を理解していなければ先に進めません。
あくまでもデジファブは単なるツール。オーストラリアでは、それをどのように活かすのか、活かすとどんなことが実現できるか、それを包括して学ぶ仕組みを考えているのですね。
デジファブの活用は「自由なものづくりの発想法」を育む一助に
また、オーストラリアのデジタル教育の目的についてこう記述されています。
こうした3Dプリント技術の教育への導入は学生たちにデジタルによる自由なものづくりの発想法を身に着けさせることを目的としている。
公開日:2013年11月11日
更新日:2022年4月22日
工作室にあるデジタルファブリケーションも「自由なものづくりの発想」を育むお手伝いができるかもしれません。学校の授業等の「学びの機会」や「学びの場」として工作室を活用する、というご相談もぜひ!お待ちしております。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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一般財団法人 西粟倉むらまるごと研究所
むらの工作室マネージャー 山崎
住所:〒707-0504 岡山県英田郡西粟倉村長尾 1464
E-mail:muramaruken.yamazaki@gmail.com
TEL:070-1264-7355
◆Instagram:@mu___labo(むlaboの日々の様子やデジタル工作機械を使った作例を発信しています)