【開催報告】「ブラっと西粟倉 未利用資源探索WS」
2024年10月5日(土)、 気持ちいい秋晴れの中、「ブラっと西粟倉 未利用資源探索WS」を開催することが出来ました。
今回のイベントは、西粟倉むらまるごと研究所と共同研究に取り組んでいる名古屋大学とエックス都市研究所が、名古屋大学COI-NEXT事業の取組として、地域にある未利用資源を発見し、地図化(可視化)する街(むら)歩きを目的に実施しました。
本レポートではイベントの様子を共有したいと思います。
未利用資源探求とは?
むら歩きに出かける前に、名古屋大学の西澤先生より、今日のメインテーマである未利用資源探索について、説明していただきました。
現在、西澤先生はCOI-NEXT事業として「未利用資源・エネルギーの把握・価値化・可視化」をテーマに研究を行っています。
例えば、家庭内にある冷蔵庫などの家電製品が発する熱エネルギー。あるいは、道端のススキ。西澤先生はこれらの未利用資源をうまく活用することが出来ないか研究されています。
実際に、冷蔵庫の排熱利用の試算をしたり、他の研究室と共同で普段雑草として見過ごされるススキを使って、燃料電池を利用して直接電力を発生させたりもしているそうです。
"「利用の実現性」は気にせず、
「利用できそう」と思ったものを探していきましょう。"(西澤先生より)
ということで、まちに眠る未利用資源・エネルギーの把握・価値化・可視化に取り組む西澤先生と、今回は西粟倉村を舞台に未利用資源を探してむら歩きに出かけます。
むら歩きのまえに
この日は株式会社たがやす様もWSに参加され、当日の議論を分かりやすく図解してくださりました。むら歩きの前に、代表の鈴木さんより、村を歩く時に持っておくとよい視点を事前に教わりしました。
グループワークをして場が温まったところで、いざ出発です。
付箋を片手に、ぶらっとむら歩き!
むlaboを起点に、北と南の二手に分かれてむら歩きをしました。
歩く途中で気になるものがあったら付箋に書いて、どんどんボードに貼っていきます。
高速道路法面の草、ヒートポンプ、風、水などなど様々な未利用資源を発見しました。
もう一方のチームはどんな未利用資源を発見したのでしょうか?
むlaboに戻って共有です!
共有
むlaboに戻り、地図をみんなで見ながらその日歩いた道をおさらいし、両チームが、それぞれ発見した未利用資源を共有しました。
草、風、石垣、枝、栗、せせらぎの音、竹、こけ…などなど
両グループから様々な未利用資源が出てきました。
より詳しい気づきの共有や活用方法についての議論は午後部で、、、
地域を味わうランチタイム
この日のランチは、地元のお母さんたちが手作りのランチを提供してくれました。
お母さんたちはかつて「ポラリスの会」として、地元の果物や野菜を使った加工品を販売しており、この日も新鮮な地元野菜をふんだんに使った料理を振る舞ってくださいました。
ごんだら煮やヤマメの唐揚げなど、どれも地域の風味が感じられる美味しい一品ばかり。さらに、お母さんたちも参加者のテーブルにも交じり、共に食事を楽しみながら、地元の歴史や風景について話してくれました。
温かな料理とともに、地域の魅力に触れられる素晴らしい時間となりました。
振り返り
ランチタイム後、各チームで、むら歩きで感じたことを共有しました。
むら歩きで気付いた、果樹や葛、水、間伐材などの未利用資源を、日々の暮らしに活かせないか?と、意見を出し合いました。
一方、むら歩きの参加者やすれ違う人、鳥獣被害やその対策を通じ、村の持続性には、「村民の交流」や「鹿との共存」が大事ではないか?と、意見を出し合いました。
まとめ
今回のむら歩きのイベントを通じ、普段、何気なく目にしているモノも、視点を変えると、別の見え方をすることを実感できました。
今回は、限られたエリアを対象としたむら歩きのイベントでしたが、村内のいろいろなところで、実施することで、村内全域を知るいい機会になるのではないか?と考えています。
また、得られたデータは、むらまる研が取り組んでいるオープンデータの1つとして、3D都市モデル上での可視化を進めていきたいと思います。
ご参加いただいた皆さま、そして名古屋大学、株式会社たがやす、株式会社 エックス都市研究所の皆さまにお礼申し上げます。