「注意されたくない」のために犠牲になる人生

いつ終わるのか、コロナ騒動、マスク社会。いい加減普通に暮らそうよ、と思っている人も多そうですが、「コロナ怖い、マスクしなきゃ」の人もまだまだいます。テレビのCMでも「マスクを外しましょう」と言い始めたのにそれでもまだ街を行く人はほとんどマスクをしていて、これは一体どういうわけなんだろうと思うのですが、これはおそらく「注意されたくない」という思いが人生における重要な価値観だからなんだろうなぁと思ったりもしました。私自身、注意するのもされるのも本当に嫌なので、この価値観を強く持っているという自覚はあります。マスクをしていなくて注意される可能性はあっても、マスクをしていて注意されることはないので、より注意される可能性が低い選択をとっている人が多いのではないでしょうか。(と、書いておいて、かつてとある販売のアルバイトでマスク禁止というルールがあったことを思い出しました。ルールというのはかくも簡単に変わるものなんですね。)

私は注意するのもすごく苦手なタイプで、以前美術展の監視アルバイトをしていたことがあったのですが、お客様にお声がけするのはとても心苦しかったです。すごくストレスを感じていました。やむを得ずお声がけしても、逆に怒られてしまうこともありました。その時のバイト経験ではないですが、自分がそのルール(注意する基準)に納得していない場合は、より苦痛だったと思います。私はコロナ禍にある美術展に行ったのですが、割とガラガラで静かに見ていたにもかかわらず、「鼻までマスクをしてください」と注意されたことがあり、その理不尽さに少々腹を立ててしまいました。その監視員の方はルールに従って声をかけただけなのですが、私だったらそのルールが理不尽すぎて納得できず、仕事を辞めていたと思います(私はそういう人間なのでなかなか職に就けない)。中には人に注意することに喜びを覚える人もいそうなので、そういう人は監視系の仕事には向いているかもしれません。

社会の秩序のためにはルールが必要で、みんなが守ることで気持ちよく生活できる…のはもちろんそうですし、私も本当にそう思っているのですが、そのルールがあまりにも理不尽な場合にもそれが当てはまるかというと、そこは非常に微妙です。ルールには絶対従え、ということになると、支配層が作ったどんなルールにも奴隷たちは従わなければならないということになり(それが人類の歴史でもある)、彼らのやりたい放題を許すことになります。ルールを絶対視するのではなく、そのルールは妥当なものなのか、ということは常に精査すべきものですし、疑問を持ち、変えていくことも時には必要になってくると思います。

今回の騒動においては、マスクをするという行為が、非常に微妙なところをついているものだっただけに、いろんな意見や考え方、対応が出てきているんだなぁと感じます。苦痛で面倒で金銭的負担もあるけれども死ぬほど大変ではない点(猛暑日は死ぬほどの苦痛だと思います。でも冬はそうでもないです。買えないほど高額でもない。)、見た目で明らかな点、表情を隠せるメリットもある点、マスクをする効果があるという説とないという説がある点、マスクをすることによるデメリットが見えにくい点(例えば不織布の化学物質を吸うデメリットがあると言われているが、呼吸器系の病気になってもマスクが原因とは断定しにくい。子どものコミュニケーション能力の問題が生じるのも確実だが、まだ少し先であるしこれもマスクが原因とは断定しにくい。低酸素や雑菌の問題も然り。)、などなど、いろんな観点があるため、どの部分を重視するかによって、人によって対応が変わってきます。

とはいえ、やはり一番の動機は多数派でいたいということ、注意されたくないということなんだろうと思います。無難が一番、多くの人が自分の考えや思想を持って生きているわけではないので、多くの人がやめれば自分もやめるという人がほとんどなのではないでしょうか。ほとんどの人がやめてもまだしている人がいたら、その人は本物ですし、自分の考えや思想で生きている人なんだなぁと思います。私も「注意されたくない」という思いが強いので、マスク着用のお願いをしている電車やお店などではするようにしていますが、普段利用する施設に関してはルール緩和をお願いする意見などを送ったりもしています。こればっかりは個人でどうにもならない部分もありますが、それでもやはり一人一人がルールに疑問を持ったり、自分で考えてみることは世の中を変える力になると思います。「注意されたくない」からといって、ルールに従い続けるままでいいのだろうかと、「空気に水を差す」勇気が必要だなと思う次第です。

※参考記事
異様な「空気」に「水を差す」自由と勇気

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