「週5」に縛られすぎな学校、仕事、保育園

今年は大学や教育について考えていきたいと昨年末に宣言した通り、教育関係の本などを読んだり調べたりすることが多いです。先日はオランダの教育システムって良いかも、と思い、『オランダの共生教育 学校が〈公共心〉を育てる』(リヒテルズ直子著)という本を読んでいました。ただ、今回書きたいのはオランダの教育システムについてではなく、働き方についてです。この本を読んで、オランダではより柔軟に働けるシステムが整っており、パートタイムとフルタイムの賃金格差が少なかったり、パートタイムの短時間労働でも正規として雇用されるなど、日本とは随分違う雇用形態が採用されていると知りました。それにより、夫が週に3日、妻が3日働き、休みのどちらかがが子どもを見る、といった生活も可能なのだそうです(しかも夕方ごろには帰宅できるとか)。ワークシェアリングですね。

私は以前に「正規・非正規」の枠を超えた働き方 という記事を書いたことがありますが、オランダの雇用システムは私の考えに近いなぁと感じました。過去に、「普通に生きること」のハードルは限りなく下げていいや、一日四時間労働くらいがちょうどいいという記事にも書いたように、週5フルタイム労働を前提とし、フルで働いてもまともに生活できない「ワーキングプア」などという言葉が生まれる社会はおかしいと思っているし、「正規=週5フルタイム、福利厚生・待遇良」、「非正規=パートタイム、福利厚生・待遇悪」(必ずしもこうではないけれども)、という図式にも違和感を感じ続けてきました。

学校についてももう少し柔軟なあり方があっても良いのにと思っています。私はほぼ皆勤で通うような学生でしたが、今の時代だったら不登校だっただろうなと思うことも多く、不登校の方の気持ちも物凄くわかるし、「学校行かなくても、いや、むしろ行かない方がいいよ」と思っているタイプです。学校に週5では行けない子も、週に2~3回くらい自分のペースで行けそうな日は通い、あとは自宅でのんびり過ごす、というスタイルなら大丈夫という子もいるのではないかと思います。スカイプ対談&「ブラック学校」を憂うという記事にも書いた通り、学校自体がブラックということもありますし、必ずしも週5にこだわることはないんじゃないかなという思いがあります。

役所時代には保育園に関する事務を行う部署におりましたが、入所システムにも問題があると感じていました。保育園は保護者の「保育に欠ける」度合いをランク付けして、必要性の高いと思われる子から入所を決めていくのですが、このやり方でいくと両親フルタイム勤務の家庭がどうしても上位になってきます(緊急性の高い特別な例を除く)。パートタイム労働ではランクが下がってしまうので保育園に預けにくく(一時保育の枠はあるけど)、結果として産前にフルタイムで働いていた人がパートにシフトダウンするという選択肢はなかなか選びにくいようにも思います。なんというか、0か100か、すぎるんですよね。週2~3回働きたい、というニーズにはなかなか応えられないシステムです。その辺りのジレンマは物凄くあり、このことを語り出したら何時間でも話せるくらいの問題意識はあります。

とはいえ、冒頭のオランダ流・夫が3日、妻が3日働いて、育児も分担する、というあり方が望ましいかどうかは私にもわかりません。社会のあり方を考えるにあたっては、最も弱い者の視点に立つことが大事と考えており、そうなると赤ちゃん・子ども目線でどうかということを考えないといけないのですが、赤ちゃん的に一番一緒にいてほしいのは圧倒的に母親であり、そうなると夫がフルで働き、妻は家庭で専業主婦、というシステムも捨てがたい面はあります。子育てについて言うと、子育てに「ベーシック・インカム」の視点を という記事に書いたような、児童手当の拡充がベストという考えもあり、夫が3日働き、育児に励む妻を支える…くらいが一番望ましいのかなとも思いました。ずっと育児では息が詰まるという母親のためにも、子どもの成長に応じて週に2~3回くらいから徐々に社会復帰が可能なシステムになるとより良いと思います。

色々と書いてきましたが、「週5」ありきのシステムではなく、もう少し柔軟に、学校にしても働き方にしても、考えていけると良いのではないかと思っています。「AIに仕事が奪われる」のが先か、人類滅亡が先かはわかりませんが(ブラック)、現在の凝り固まった働き方や考え方を見直す時期に来ているのではないかと思い、書いてみました。

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