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わかりあえないことから

「みんなのおうちプロジェクト」って
高校生女子が2人でやってるYouTubeでインタビューされた。

「今までで一番影響を受けた人は誰ですか?」
という質問に、
平田オリザさんかな」
と、即座に答えた自分が意外だった。

『わかりあえないことから』
は衝撃の本だった。

わたしたちは、わかりあえない間柄なんだ。
以心伝心とか、
単一民族とか、
ハイコンテクストとか、
日本人の特徴を美しくいうけど、
そんなことないって。
むちゃくちゃ対立してんじゃん。

外国人いっぱいいるじゃん。
もとから単一じゃないじゃん。

わかりあえない、ってことから始めないと、
おれが正しくて、あいつが間違っている、
こっちが正しくて、あっちが間違っている、
ってことになる。

そうじゃなくて、お互いにすり合わせしなきゃ。
どっちかに寄せるんじゃなくて、
どっちも寄りあえるように、
妥協しなきゃ。

妥協というと、マイナスのイメージがあるけど、
じつはそうじゃない。
生きるための知恵なんだ。

ヨーロッパをみろアメリカをみろ。
いろんな民族がいて、いろんな出身の人がいて、
いろんな家族構成の人がいて、一人の人がいて、
オトコもオンナもどっちも違う人がいて、
宗教とか民族とかイデオロギーとか、
そういうので争いもあったけど、
生きていくための知恵が、
compromiseなんだ、
妥協っていうことなんだ。

妥協のために、寄りあえるように、
コミュニケーションが必要で、
それは、
ディスカッションではなく、
ディベートではもちろんなく、
ダイアログなんだ、
対話なんだ。

振り返ってみると、
これがいま一番わたしの根幹の部分、
軸、ってことになってる。

無意識にそうやってきてたので、
改めて「影響受けた人は?」
と不意をつくように問われて、
平田オリザ、って答えて、
ああそうだった、と思って心のなかでにんまりした。

「みんなのおうちプロジェクト」の
平田彩花さん伊藤詩奈さん
ありがと。