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コスパとタイパとミュージアム思考

タイムパフォーマンスが注目されている。

タイムパフォーマンスとは、
投下した時間に対して、どれだけのリターンがあるのか、という意味。
投下した費用に対して、どれだけのリターンがあるのか、
というのがコストパフォーマンス(コスパ)で、
いまはコスパだけじゃなくて、「タイパ」も重視されている。

わたしも最近、スマホやタブレットのタイマーアプリつかって、
20分とか25分でパキパキ仕事を切り替える、
アラームが鳴ったらやりかけでも、あとちょこっとで終わるとしても、
そこできっぱり区切りをつけて次へいく、
ポモドーロテクニックをやっている。
(って書いてたらアラーム鳴った……)

これはいまのところ、上手くいってる。
朝6時30分から始めて、
午前中でほぼやるべき仕事は終わって、
午後は地元(釜石)のことをやったり、新聞を読んだりしている。

これは全速力とまではいわないけど、
それなりのスピード感をもって仕事がやれる。
タイムパフォーマンス。

その反対にあるのが、ミュージアム思考だろう。
ミュージアム思考はまず、じっくりと見ることから始まる。

たとえば、美術館で絵を観る。
解説は読まない。
じーーっと観る。

普通は絵をチラ見して、解説読んで、また絵を観て、
それで十数秒した絵の前にいないらしい。

じーーっと観て、対話をする。
美術館は対話をしていいところ。
むしろ、対話をすべきところ、とされている。
(2019年に「国際博物館会議」で提案されたミュージアムの定義)
だから、美術館にいくときには、
複数の人たちといくことのがオススメ。

ミュージアム思考は、投下する時間は長いけど、
得られるもの(リターン)はチラ見よりもかなり大きい。

してみると、チラ見はタイパが悪く、
ミュージアム思考はタイパがいい、ともいえる。

であるならば、目の前のことにじっくりと取り組むこと、
つまりマルチタスクよりもシングルタスクもタイパがいい、ともいえる。

じっくりと、端折らないで、見る。


『こどもと大人のための ミュージアム思考』 稲庭彩和子編著 左右社 2022年