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不確実な時代でのビジネスにはミュージアム思考がばっちり

ミュージアムでの体験は、ただたんに絵を見る、だけではなく、
「全身の知覚を通した複合的な思考体験」
だということが書いてあって、
なるほどそういうことだったのか、と、
最近のミュージアム体験でかなしばりにあったように動けなくなったことに合点がいった。

また、田植えという行為も、全身での思考体験なのではなか、とも書いた。

『こどもと大人のためのミュージアム思考』を読んでの気づきだった。

こうしたミュージアム体験とかミュージアム体験的な体験から、
ミュージアム思考になっていく。

ミュージアム思考には、5つの側面がある。

①視覚的思考:モノを見ながら考える。全体を捉えて、比較したり分類したりして思考を深める。
②身体的思考:身体感覚を総動員して考える。見るだけではなく、身体感覚を開いて思考する。
③共在的思考:他者の感情や経験を理解し想像する。モノを見ながら対話し、他者と共に世界を再発見する。
④超越的思考:日常的な時間と空間を超えて、新しい発見や普遍的な価値へのつながりを見出す。
⑤持続的思考:答えがひとつではない問いに対して、すぐに結論を求めず、時間をかけて問いを持ち続ける。

ミュージアム思考は、学校教育だけではなく、ビジネスにおいても有効だ。

①は、日常的につかっている思考だから、それをブラッシュアップするために。
②は、ほとんど日常的にやっていないから、やるべき。
③は、顧客志向やファンベースなビジネスのために。
④は、イノベーションのために。
⑤は、これこそVUCAの時代のビジネスのために。アジャイルな組織運営のために。

ミュージアム体験だな、まずは。


『こどもと大人のための ミュージアム思考』稲庭彩和子編著 伊藤達矢、河野佑美、鈴木智香子、渡邊祐子著 左右社 2022年