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ロジカル・シンキング・ポケカ#5〜特殊エネルギーを巡る諸問題〜

お久しぶりです、やさいです。元気してますか?

昨日、リングフィットアドベンチャーを探しにヨドバシに行ったのですが見事売り切れで。。いつになったら手に入るのやら。買ってくれる人、募集してます(マジでDMください)。

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昨日から春ポケカキャンペーンが始まりましたので、プロモカードもらいにカードを買い行って来ました。箔が良いね。20パック買ってボスは出ませんでしたけどね!

前回、といっても最後にリリースしたのが約2ヶ月前なので覚えている方も少ないと思いますが、わざの処理とダメージの処理を深く学ぶための記事を書きました。


今回の内容にとって基礎中の基礎になりますので、まだの方はそちらをお読みください。でも、まだ読んでなくてもこの記事が楽しそうだからという理由で開いたならこの記事をこのまま読んでください。


巷では一問一答のような形でポケモンカードのルールに関するTweetが散見されます。しかし、ワザの処理、ダメージの処理に関する問題は、処理手順を頭に叩き込めば迷うことなく判断が可能となります。

なので、今日は2つの設例をこなして、ひたすらワザの処理に慣れていただこうと思います。いつもとはテイストを少し変えて、設例→解説×2という形式にしてみたいと思います。いつもながら解説はしつこいぐらいですが、お付き合いいただければと思います。

第1 ザマゼンタVvsホラー超エネルギー

1 設例

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「自分のバトル場のザマゼンタVが、相手のバトル場にいるホラー超エネルギー2枚がついたドラパルトVMAXに対してアサルトタックルの使用を宣言しました。130ダメージをドラパルトVMAXに載せると相手プレイヤーは、ホラー超エネルギーの効果としてダメージカウンターを4個ザマゼンタVに載せました。ダメージカウンター4個をのせるのは処理として適切ですか。」

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こちらの問題は少し前にTwitterで流れており、たくさん拡散されておりましたが、正しい答えを選んだ人の方が間違いの答えを選んだ人より少ないという結果にざわついておりました。

僕も当初はこの結果に引き気味でしたが、この記事を書くにあたり間違えてしまった人の思考もわからんでもないな、と思い直しました(詳しくは後述)。

この設例のポイントは、アサルトタックルとホラー超エネルギー、どちらが先に働くか、です。というか、この設例にかかわらずですが。


2 解説

まずはカードのテキストを丁寧に読みます。すぐにQ&Aに飛びつくのではなくまずはその場で答えを出せないかと努力してみます。

ザマゼンタVのワザ、アサルトタックルはこうです。

相手のバトルポケモンについている特殊エネルギーを1個選び、トラッシュする。

ふむふむ。ちなみに同じ内容のテキストを持つワザでガオガエンGXのクラッシュパンチや、ジュカインGXのおんそくぎりがあったりします。


一方のホラー超エネルギーのテキストはこうです。

このカードは、ポケモンについているかぎり、超エネルギー1個ぶんとしてはたらく。このカードをつけている超ポケモンが、バトル場で相手のポケモンからワザのダメージを受けたとき、ワザを使ったポケモンにダメカンを2個のせる。

このホラー超エネルギーはポケモンについていない時には何者なのか、については第3回を参考にしてみてください。


ではテキストが確認できましたので、どちらの効果が先に働くかを考えましょう。その先後関係を検討するにあたっては、それぞれのカードのテキストがワザの処理、ダメージ処理の手順のどこで働く効果なのかを考えます。

ではここで、前回も使用しましたワザの処理手順とダメージの処理手順のフローチャートを確認してみましょう。

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上級プレイヤー用ルールブックにて説明されているワザの処理(黒字)とダメージの処理(青字)を同じ図の中で視覚化したものがこのフローチャートです。これ学校のテストに出ます。


今回の設例を考えるにあたっては、テキストの効果がダメージに関するものなのか否か(4. ダメージ計算に分類されるのか、否か)の視点がめちゃくちゃ重要です。

ではまたテキストに戻り考えてましょう。

相手のバトルポケモンについている特殊エネルギーを1個選び、トラッシュする。

アサルトタックルのテキストの効果は、ワザのダメージ(130)を増減させる効果を伴わないので、ダメージ以外に関する効果といえます。

そうすると、今、ザマゼンタVがアサルトタックルを宣言さているので、ザマゼンタVのアサルトタックルの効果は、フローチャート中の「5.ダメージ以外の効果」に位置付けられます。


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一方、ホラー超エネルギーについて、まずこのテキストの効果はザマゼンタVのワザのダメージ(130)を増減させる効果はありません。したがって、「4. ダメージの計算(正確にいえば4-5)」ではありません。

アサルトタックルを受ける側であるドラパルトVMAXに対してかかる効果(ドラパルトVMAXがワザのダメージを受けた時に働く効果)ですので、ホラー超エネルギーの効果は「6. 相手のバトルポケモンのダメージを受けた時に働く効果」に位置付けられます。


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このフローチャートを見て明らかな通り、アサルトタックルのワザの効果の後にホラー超エネルギーの効果が発動するという手順になります。

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では、ワザの処理の順番が明確になりましたので、具体的にあてはめていきましょう。

相手のバトルポケモンについている特殊エネルギーを1個選び、トラッシュする。

ドラパルトVMAXについているホラー超エネルギーを1個選び、トラッシュする。


アサルトタックルの効果に従い、ドラパルトVMAXについているホラー超エネルギーをトラッシュしますので、「5.ダメージ以外の効果」を処理した結果、ドラパルトVMAXはホラー超エネルギーが1枚のみついている状態になりました、

そうすると、「6. 相手のバトルポケモンのダメージを受けた時に働く効果」の時点では、ドラパルトVMAXにはホラー超エネルギーが1枚しかついていませんので、ホラー超エネルギー1枚分の効果が働き、ザマゼンタVにダメージカウンターが2個乗ることになります。

したがって、設例に対しては「処理は適切ではない」という結論になると考えられます。

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ホラー超エネルギーのテキストにもある通り、「ダメージを受けた時」という文言に引っ張られてしまうと「4.ダメージ計算」の直後の処理が想定されているようにも思える点が、間違いを生む原因なのかと思っています。

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インテレオンVMAXのハイドロスナイプの効果は、相手のバトルポケモンについているエネルギーを相手の手札に戻すものですが、先にインテレオンVMAXのワザの効果の処理をし、その後にホラー超エネルギーの効果の処理が行われることを前提に、上記の裁定となっていることが推測されます。

このようにテキストを正確に読み解き、フローチャートの中にそのワザの効果を策定させさえすれば間違いようもないのです。先のTweetの誤答者が多かった事実は、いかに普段、感覚だけでワザの処理・ダメージの処理を済ませている人が多いかということを如実に示した訳です。

テキストに忠実に処理をしたと思われるいう点は一定の評価ができますが、ワザの処理、ダメージの処理の手順はテキストに書かれざるものとして厳然と存在してますので、このフローチャートは無視できないのです。


・ワザの処理手順、ダメージの処理手順は頭に入れよう
・テキストの効果が、ダメージに関するものなのか否かを把握しよう

では次の設例に参ります。

第2 ドヤがおvsリザードンVMAX

1 設例

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「炎エネルギー3枚とトリプル加速エネルギーがついたリザードンが自分のアローラペルシアンGX(以下、アロペル)に対して、キョダイゴクエンを宣言しました。アロペルの特性ドヤがおにより、ダメージを受けないと主張しましたが、相手はトリプル加速エネルギーはトラッシュするのでドヤがおは働かないと主張してきました。」

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今後のバトルシーンではよく見る光景になるかもしれませんね!


ちなみに今回久々に筆を撮ろうと思ったキッカケがこちらの問題を思いついた時でした。ルールに詳しい方が、現実にはありえそうもないシチュエーションを設定していたづらに難しいポケカルールクイズを出題してるの見ることがありますが、あんなんただの◯◯ニーです。


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実際に相手と対面してバトルをする中で、処理に困る場面に出会し、そこを解決するための手段として用意されているのがルールなのです。決して、ルールが主役になってはいけない。これは常々思っております。

少し話は脱線しましたが、今回の設例を解くにあたってもやはりキョダイゴクエンの効果とドヤがおの効果がどちらが先に働くかがポイントです。

2 解説

まず、登場するカードのワザ及び特性のテキストを確認してみましょう。

リザードンVMAXの下ワザ、キョダイゴクエンはこうです。

このポケモンについているエネルギーを2個選び、トラッシュする。

このポケモンについているエネルギーを2個選び、トラッシュする。

この効果は、ダメージに関するものではありませんよね。そして、リザードンVMAXがワザ使用を宣言しているので、キョダイゴクエンの効果は「 5. ダメージ以外の効果」にあたります。

フローチャートに書き入れると、こんな感じです。

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次にアロペル

のドヤがおのテキストはこうです。

このポケモンは、相手の「TAG TEAM」「ウルトラビースト」と、特殊エネルギーがついている相手のポケモンから、ワザのダメージや効果を受けない。


ここで、ワザの効果を受けないについては、「ロジカル・シンキング・ポケカ#4」の「第3 テキストを読む」でのバリコオルの説明をご確認ください。結論からいうと、この部分は「6. 相手のバトルポケモンのダメージを受けた時に働く効果」」に位置づけられますが、今回の設例には関係しませんので説明は割愛します。

では、「ワザのダメージを受けない」はフローチャートのどこに位置づけられるでしょうか。

ワザのダメージを受けない、については上級プレイヤー用ルールブック37頁のC-16に下記のような記載があります。

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「◆この効果を受けているポケモンがワザのダメージを受ける場合、ダメージの計算の6.最終的なダメージで受けるダメージが0となり、計算を終了できます。」


まず、ドヤがおの効果はダメージ計算の中で、受けるダメージを0にする効果ですので、ダメージに関するものであることは間違いなさそうです。

したがって、ドヤがおのワザのダメージを受けない効果は、「4-5 受けるポケモンが受けている効果」に位置付けられます。

早速フローチャートにあてはめてみましょう。

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なるほどなるほど。ドヤがおの効果の処理の方が、キョダイゴクエンの効果の処理よりも早いですね。

あっ、念のためトリプル加速エネルギーは

このカードは、進化ポケモンにしかつけられず、つけた番の終わりにトラッシュする。このカードはポケモンについているかぎりエネルギー3個ぶんとしてはたらく。(このカードが進化ポケモン以外についているなら、トラッシュする。)

で、特殊エネルギーです。

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ここまで来るとこれ以上不要にも思うのですが、怠けずに、上記手順に従って今回の設例の具体的状況にあてはめてみましょう。

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まず、キョダイゴクエンのワザの使用が宣言されます。必要エネルギーも問題なくついています。

次に「4.ダメージの計算」の処理です。ここでドヤがおの効果が働きます。この時点では相手のバトルポケモンであるリザードンVMAXにはトリプル加速エネルギーがついていますので…

このポケモンは、相手の「TAG TEAM」「ウルトラビースト」と、特殊エネルギーがついている相手のポケモンから、ワザのダメージや効果を受けない。

アロペルは、トリプル加速エネルギーがついているリザードンVMAXから、ワザのダメージや効果を受けない。

あてはめてみるとこのようになる結果、アロペルの受けるダメージは0になります。

そして、その後「5. ダメージ以外の効果」として、リザードンVMAXについているトリプル加速エネルギーがトラッシュされます

なお、結論に影響は出てきませんが、トリプル加速エネルギーのトラッシュはあくまでもワザの処理の一環で行われます。仮にキョダイゴクエンを使用しなかったとしても、トリプル加速エネルギーのテキスト上、相手の番の終わりにトラッシュされてしまいますが、微妙にトラッシュのタイミングが違いますのでご留意ください。

したがって、設例に対する回答としては、「ドヤがおの効果が働くタイミングでは、トリプル加速エネルギーがついているリザードンVMAXからワザのダメージを受けない。」ということになると考えられます。

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第3 結語


いかがでしたでしょうか。ワザの処理、ダメージの処理の問題は、その手順さえしっかり頭に入ってしまえば、ほぼ間違えることはなくなります。

しかし、普通に対戦をしていて揉めてしまった時に、その場にあるカードのテキストでは解決できないのもまた事実です。とはいえ、ポケモンカード をやっている以上、この手順は頭に入っていることが当然の前提となっております


この春、ポケモンカードを始めた人にとってはこんなところまで細かく見ないことも多いと思います。ですが、ワザの処理に関しては基本的に毎ターン発生する工程ですので、うやむやにせず覚えましょう!そうすれば、設例1に出てきた相手のように適当なことを言われてもプロテクトできます。

なお、設例を解くにあたって、今回当然の前提となる知識は説明を省略させていただいております(ホラー超エネルギーが2個ついている時にダメージを受けた場合にはダメカンが4個相手にのることや、キョダイゴクエンのエネルギー2個トラッシュはトリプル加速エネルギー1枚トラッシュすれば問題ないこと等)。本来であれば解説をしなければならない部分なのですが、気になる方はお手数ですがお調べください(必要であれば聞いてください。)。


第4 宿題


次に扱う問題も、今回内容と密接に関わるので本来であれば今回扱うべきなのですが、ボリュームの関係上、次に回させていただきます。

さて、それでは最後にロジカル・シンキング始まって以来最初の宿題です!

設例

相手のバトル場には基本草エネルギー3枚とオーロラエネルギーが1枚ついたゴリランダーVMAXがダイレンダの使用を宣言しました。

その際、基本草エネルギー1枚とオローラエネルギー1枚をトラッシュし、230ダメージを与えようとしています。


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問1 この時、アロペルはドヤがおの効果でワザのダメージを0にすることはできますか。

(アロペルの画像はもういいよね…)

問2 この時、ツボツボGXはまもりのツボの効果でワザのダメージを0にすることはできますか。

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いや、現環境では、ゴリランダーデッキにオーロラエネルギーが入っていることはほぼない…とも言い切れない。それに、近い将来にフローラルミント草エネルギー(仮)が登場した時、ダイレンダでトラッシュするのは当たり前の時代がもうそこまで来ている。

そうだろ?

第4、第5回で説明したことに忠実に思考してください。一定の答えが出たところでモヤモヤしたら多分正しい思考ができています

では、うがい手洗いをしてコロナに負けず過ごしましょう!お読みいただきありがとうございました。リアクションたくさん作ってるのでよかったスキ押してみてください。笑


やさい







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