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セトレならまち×奈良県吉野『嘉兵衛本舗』さんのオープンキッチンへ。

近づいてくるニワトリたち


今日は、
『セトレならまち』で月に1度開催されているオープンキッチンに行ってきた。

『セトレならまち』とは、
近鉄奈良駅からほど近く
鹿でにぎわう猿沢池のほとりにある
ちょっとすてきなホテルである。

ロビーから見える中庭には
大和肉鶏とよばれるニワトリたちが放し飼いされていて、手で触れることができるぐらい人懐っこくて愛らしかった。


そのニワトリたちの産みたて卵は

「どうぞご自由にお取りください」

の言葉を添えられ、
ロビーにていねいに並べてあった。

(「うわぁ!食べてみたい、、」
と思ったけど、ちょこんと6個ほど並んだ卵、小市民な自分はなんだか申し訳なくて手に取ることができないのだった、、しょぼ。)

そんなすてきな空間で、
今回行われたイベントは、
奈良県吉野郡で製茶の製造から販売などを自分たちの手で1からすべて行っておられる『嘉兵衛本舗』さんとのコラボレーションで開催された。

生産者さんのお話を聞き、
その茶葉を使ったコース料理を堪能させていただいたのだけど、その内容がとても良かった。

まずは『嘉兵衛本舗』さんについて。

場所は奈良県吉野郡大淀町という
自然豊かな山間にあり、
創業は江戸時代にさかのぼる。

170年もの歴史がある製茶の老舗である。
現在は6代目の父親のもと、三姉妹がその家業を継いで積極的に製造から商品開発、販売を行っているとのこと。

(長女チカさん、次女ユカさん、三女エリカさん)

今日お話してくれたのは、
次女のユカさんだったのだが、長女のチカさんとは食事の席が同じだったのでいろんなお話をすることができた。

三女のエリカさんとは、あまりゆっくりとお話できるタイミングがなかったのだけど。
また機会があればお話できるといいな。

それにしても、皆さんおそらく自分の年齢とそう遠くはないであろう3人だったことに、正直驚いた。

自分の勝手なイメージだけど、
お茶の生産はてっきり年配のかたがされているのだろうと思っていたから。

そして、その『嘉兵衛本舗』さん1番の
看板商品とは『天日干し番茶』である。

お茶と言えば煎茶や玉露が上級品で、
番茶は「二番煎じ」の下級品といわれる場合があるが、
『嘉兵衛本舗』さんで作られている『天日干し番茶』はちょっと違う。

摘み取った茶葉をていねいに蒸したあと、昔ながらの天日干しという伝統的な製法で乾燥させつくられている。

天日干しにかかる時間は、
日照時間や気温によっても変わるという。
夏場なら3時間ほどで乾燥するが、秋口になれば2~3日かけて乾燥させるという。

そして乾燥させているあいだにも、30分から1時間おきにひっくり返したり、とにかく手がかかる。

ただ、このていねいな作業が
お茶の出来上がりに影響する。

刈り取り以外、製茶にかかわるほとんどの工程で機械は使えず、すべて手作業で行われているとのこと。

わたし自身、
毎日のようにいただくお茶だから
とても興味はあったのだけど、
おいしいお茶ができるまでにどんな背景があるのか知らない部分が多かったので、
今回とても勉強になった。

「昔ながらの」やり方にこだわるのには理由がある。

機械ではない手作業だからこそ、
天日干しをするからこその違いがあるのだと言う。

干したあとの茶葉を焙じたときの
香りだったり、淹れたときのえぐみや渋みがなく、やさしい味に仕上がるのだそう。

実際に、その場で淹れていただいたお茶は本当にまろやかで、やさしい味がした。

『嘉兵衛本舗』さんの三姉妹が大切にされているのは、

なくなろうとしている物
守りたい物
守ろうとする者
繋ぐ未来の創造


なのだと言われた。
この言葉に、とても胸を打たれた。

「古き良きものを重んじながら、時代に合わせた新しいものをとり入れていく」

まさに、温故知新である。

わたしも常々、
この考え方を大切にしたいと思っている。
そう、守りたい。

そして、
茶葉を使ったお料理の数々はどれも
ていねいに考えてつくられていて、
おいしかったのは言うまでもない。

・三輪山本桜麺 冷静カルボナーラ
(玄米茶)



・海の幸と大和野菜のサラダ仕立て
ほうじ茶のジュレとともに
(ほうじ茶)

開けるまでのワクワク感!



・天日干し番茶と大和大鉄砲豆乳の茶粥仕立て
(天日干し番茶)


・和紅茶の香り漂う大和ポークのブレゼ
(和紅茶)

・早摘み緑茶の桜餅
(早摘み緑茶)

すべてに『嘉兵衛本舗』さんの茶葉が使われていた。

お腹はパンパン、
胸いっぱい、幸せなひとときだった。

いただきます。

ごちそうさま。

ありがとう。



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