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幻想狩人と頂点捕食者

回転式杭打砲が火を噴き、奴の五体をバラックに縫い留める!
だが油断はできねえ……肉体を分離再構築して逃げる気だ、させるか!
サブアームの紫外線灯を焚き、動きを封じる。計算通り!最後の一発を寸分違わず心臓に打ち込むと奴の肉体はすぐに崩れ始めた……よし、死んだな。
討伐の証に骸から牙を拾い上げる。これを持ち帰れば一仕事終わりだ。


俺、レッドウッドの生業は<幻想狩り>だ。
物心つく前に起きた《大表出》とか言う事件のせいで《幻想種》――神話やおとぎ話の産物とされる種族達の事だ――がそこら中跋扈してやがる。
お偉いさん達は今も調査してるが、原因はまだ分かってねえ。

幻想種と言っても性質は様々。
エルフやドワーフなんかはまだ話が通じる……それでもエルフ領との不可侵条約締結に5年かかったらしい。
当然話が通じない物騒な奴らも多い。そんな奴らを知恵と力と科学でぶちのめすのが<幻想狩り>だ!

俺達の仕事は出来高制で、討伐対象の数や危険度に大きく左右される。
今の吸血鬼のような……あれは下級種だが……ヤバい奴を仕留めれば、暫く食っていける報酬が出るだろう。


俺は討伐斡旋の担当者に討伐完了の通信を試みるが、繋がらない。
《大表出》以降、従来の無線通信は一切使えなくなった。今では言わば魔力とでもいうべき普遍的リソースによるレイライン通信が使われてるが……それが通じないって事は、馬鹿でかい魔力が近くで動いてるって事だ!

「……すみません」突然の声。

育ちのよさそうな娘だ、だが何故こんな夜道に「ギイィーッ!!」
くそっ、ワイバーンだ!奴らは昼しか行動しない筈だが……こちらに向かってくる、対竜種武装はないがやるしかねえ!
紫外線灯を焚く。目潰しにはなる筈……金切り声を上げ急降下する奴めがけ杭を発射!

避けられた。奴はバレルロール軌道飛翔し……不味い、真上!


諦めかけた俺が次に見たのは、あの娘がワイバーンに飛び乗り首筋を手刀で削る姿だった。


【続く】

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無銘海姫

スキするとお姉さんの秘密や海の神秘のメッセージが聞けたりするわよ。

お姉さんの秘密:寿司はサーモンとイワシが好き
パルプ小説メインにたまに詩や自作音楽なども出していく創作アカウントです。 平成特撮リスペクトオリジナルヒーロー小説「神海戦士エルマーレ」現在連載中。 (※狂っています。本アカウント及び提供するコンテンツの正気は保証できません)