京都でちいさい秋みつけた #秋の写真を撮ってみた
こんにちは、まゆです。この度クリエイターフェスティバル2022年の企画のひとつ、秋の写真を撮ってみた共同運営マガジンのメンバーとして参加できることになりました。少しずつ秋を見つけていく、そんなエッセイを書いていきたいなと思います。
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京都に来るのは1年ぶり、けれども毎回わくわくと新幹線の切符を確かめてしまうのは、この街の尽きることのない魅力のおかげだろう。
9月も終わりに差し掛かったある連休に、私は京都の土地で懐かしい胸の高鳴りを感じていた。もうすぐ10月になるとは思えないのに、1年の流れは体感よりもいつも早い。日差しはまだ夏を引きずる強さなのに、ふと通り抜ける風が涼しくてはっとする。
秋だね。日陰で静かに体を冷ましていた連れも、うなずいた。
京都で私が必ず訪れる場所が、南禅寺だ。水道橋ではなく、山門のところ。ここは、私にとって心と体がぐっと近づく場所な気がする。
静寂の中で葉が揺れる音、虫の声、山門の影にある石段の冷たさ、柱の木目。それらに五感が研ぎ澄まされて、デジタルデトックスをしていないのに、簡易的に俗世と離れた気分にさせられる。
夏にはうるさいほどの蝉の声も、なんだかもう遠く感じて、彼らの季節が終わっていくのだと感じる。移り変わりは、いつも自然が教えてくれる。
緑に囲まれた山門の周りにも、彩りが見つかった。
赤い色に染まり始めたカエデの葉が、まだ少し恥ずかしそうにこちらを覗いている。今はまだ一足先に熟れたほんの少しの彩りを、ゆっくりと散歩しながら探してみた。
今年、紅葉の見頃のシーズンにここに来ることはないかもしれない。前に一度11月に訪れた時には、赤オレンジ黄色に包まれた厳かな門が眩しいほどだったから、本当はまた来たいのだけれど。
ちいさい秋みつけた。少し寂しいあのメロディも、こんな散歩の中でなら楽しく響いてくる気がする。
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