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恋の短歌)ちいさなため息

ため息をちいさく宙に飛ばしたら
君を映してぱちんと消えた
行儀よく温もり消した枕にも
君の匂いを探す月曜
この街の本屋も猫も改札も
君がいた日を忘れずにいる
その熱に触れる左と濡れる右
相合傘の中の沈黙
助手席で君のまつげを盗み見る
わたしの頬にエアコンの風
元カノもきっと数えたこのほくろ
指でぐるっと囲った世界
いつだって恋は不自由なのだから
君が自由に見えるのだろう
会いたいと言えないよりも会いたいと
思われないのに悲しくなるの
忘れたい夜のビールで思い出す
お冷やをくれた君の空席
軽率に手などつないで昨晩の
汗と酒の香四時五十分
ナチュラルなメイクが好きと言う男
だから何だと真っ赤なルージュ
英語では伝えられないことばかり
LIKEじゃ足りずLOVEとは言えず
野良猫が寂しそうだと泣いていた
君の私の背を追い越した
君が言うほど東京に夢はなく
擦れた嘘は消えてく蛍
彼といる振袖姿の友を背に
父親を待つ成人の我
すっぴんの一重まぶたも褒められる
くすぐったさを愛というのか
おそろいのピンクの箸はこの前の
彼女も使ったものなのですか
韓国のアイドルが撒くアイシテル
よりあなたに呼ばれる名前
君の名を飴玉にして溶かしたら
まつげが揺れる温度になった



短歌まとめ2作目です。はじめて詠んだ歌を集めた前回の記事は、noteの今日の注目記事にも選んでいただきました(ありがたや)

その際に、水野うたさんが以下のような紹介をしてくださいました。素敵な言葉をいただき、ぜひ「ちいさなため息」をテーマにしたいと思って(ご了承もいただき)、今回恋の歌を詠んでみました。うたさんありがとうございます!

ちなみに、「ちいさなため息」を元に一首、またご返信の「あめ玉をゆっくり溶かして味わうよう」というお言葉からも、サムネイルの歌を作成しています。

みなさんもまた好きな歌があればぜひ教えて下さい。エッセイからの短歌化希望も絶賛受付中です:)読んでいただきありがとうございました。

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