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赤堀雅秋プロデュース「ボイラーマン」を観てきました

赤堀雅秋プロデュース「ボイラーマン」
作・演出:赤堀雅秋
出演:田中哲司、安達祐実、でんでん、村岡希美、水澤紳吾 ほか
劇場:本多劇場
観劇日:2024年3月20日(水曜)13:00

東京のどこかの町の路地裏。駅からすぐに行けるような場所だけど、何気なく歩いていたら、その場所には戻れなくなる、そんな場所が舞台。そこを往来する人と、近所に住む人たちの、チグハグな関わり合いを描いた群像劇。

主演は田中哲司さん。田中さんの演技はいつもいいんだけど、今回はものすごくよかった。田中さんらしい演技のままで、つまり、まるで演じていないかのような自然な演技で、心の葛藤を感じさせてくれました。

安達祐実さん、村岡希美さん、水澤紳吾さんら共演陣も、それぞれが主役と思えるほど素晴らしかった。村岡さんや水澤さんの強烈な個性は、赤堀さんの作品に出てくる “ちょっとイっちゃっている人” “ヤバい人” にピッタリ合いますよね。やりすぎても違和感なく、滑稽で悲しかったり。うまく言い表せませんが、とても演劇的で、観ていてドキドキします。

全体としては、一時たりとも目が離せない、聴き逃せない、そんな緊張感が続く作品でした。ただし、バランスよくまとまっている反面、この作品が持つ毒気が薄まったようにも感じました。みんなが悪人に見えてもおかしくない作品なのに、みんながいい人に思えたりしたので。

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