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君の好きなもの

最近呆れたこと

つわり中、君は基本的に寝たきりなので行動はほぼわたし単騎。
食料を調達する中でのできごと。

歴史

過去

知り合って10年、一緒に住んで7年とかになる。
その年月分、わたし達は食事をともにしてきた。
時にはわたしたちの家で、時には記念日のおしゃれなレストランで、時には煙の焼き鳥屋で、時には汚れたファストフード店で。
いただきますとごちそうさまを繰り返してそれが細胞に置き換わった。
意識を成すのは連続した記憶らしい。

現在

「クリーム薄皮パン」
 ーチョコ薄皮パンの方。
「ポンデリング」
 ー普通のは食べない。限定とかのだけ。
「コッペパン」
 ー好きでも嫌いでもない……?
「アソート菓子パン」
 ー正解。
「生春巻き」
 ー探してたのはサラダ巻き。
「メロン」
 ー正しいけど味を占めて買ってきすぎ。
「いちご味のチョコ」
   ーいちごは好きだがいちご味の何かはちょっと。

料理の好き嫌いはだいたいわかるけれど、
お菓子や軽食の好みは全部、惜しいけれど間違っているみたい。

なんとなく覚えてはいる、あくまでなんとなくだったようで、なんとなくの不正解だった。

呆れたこと、自分の家族の好きなものを知らないこと。

未来

わたしは君の好きなものを驚くほど知らない。
ついでにいうと君はわたしの好きなもののどこが美味しいのかわからないことが多い。
(君はわたしの好きなものつまり野菜のどこ美味しいのかわからない)
でも調達したものは、これは嫌いあれは好きと言い合って明日につなぐ。
わたしたちにとってお互いを知らないことは、それほど問題にならないらしい。

でも明日はひとつでも好きなものを調達できるようにしようと思う。

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