見出し画像

どうして、広告屋の私が“プロセス“をだいじにしたいと思ったのか?→そもそものきっかけは「オリエンずれ」その②

前回、「オリエンずれ=クライアントが本当にやりたいことと実施施策の齟齬」がしょっちゅう起こってモヤりました、というお話をしました。https://note.com/mukai_kaori/n/n17281cab60c0

さて「オリエンずれ」はなぜ起こるのでしょうか?コミュニケーションを怠っている、、、というのは論外として、2つの可能性が考えられます。

1. 「本当にやりたいこと」がクライアントの中で顕在化されていない、という可能性。
「生活者インサイト」という考え方があります。よく氷山のイメージで表されるアレですが、人間の意識のうち顕在化している意識はほんの一部で意識の大部分は無意識(インサイト)である、という話です。だから、生活者の購買意識を分析する際には顕在化している意識だけ拾っていても本当の答えは出てこない→無意識部分=インサイトを洞察する必要があるのだと。これは、クライアントについてもそのまま置き換えられる、とわたしは考えます。実は、クライアントが自身のインサイトを認識していない、「本当はなにがやりたいか?」が顕になっていない可能性は往々にしてありえます。

2. 頭の中にあるものを相手に伝わるまで伝えるには、けっこうな労力がかかる→表現しきれていない、という可能性。
仮に「本当にやりたいこと」が顕在化していたとしても、それと「相手に伝わること」は別の話。ふだん企画書なんかを書いていて、いや、ちょっと込み入ったメールの文章なんかをつくっていても「伝える」ってほんとうに難しいなあ、と思うのです。例えば、言葉ひとつ取ってみても人によって実は違う意味で使っているケースがあったり。例えば、目に見えない想いを言語化するのに挫けて「表現しやすいもの」〜他の企画書やメール・本から拝借した表現、設定しやすい数字目標や安易な施策への置き換え等〜で表してしまったり。例えば、他のいろんな事情を加味してしまったり。そうしているうちに、結局「本当に伝えたいこと」から離れてしまうんですよね。……ということが、クライアントの中で起こっている可能性も十分考えられるかと思います。

そんなこんなで、起きるオリエンずれ。わたしは、まだ顕在化していない「クライアントが本当にやりたいこと」すなわち「正解」が欲しい、どうやったらゲットできるだろう、と考えるようになりました。

次回は、その「正解」をゲットするために、わたしがやってみた試行錯誤についてお話しようと思います。では、また。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?