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ジャーナリストへの暴力にどう立ち向かうか #FPLive2019

今日は、暴力や脅迫に屈せず報道を行うジャーナリストを讃えるアワード「Free Press Live 2019」に行ってきた。

近年、ジャーナリストへの迫害や暴力が加速している。この10年間で殺害されたジャーナリストは318人。そのうち加害者が法の裁きを受けたケースはたった14%だったそうだ。昨年には、著名なサウジアラビア人ジャーナリストが殺害され、彼を含むジャーナリストたちがTIME誌の「今年の人」に選出されていた。

今日話を聞いていて、これらが決して政治情勢の不安定な国だけの問題ではないと改めて思った。アワードのキーノートでは、オランダ人権大使Bahia Tahzib-Lieさんが、フィンランドの女性ジャーナリストへのオンラインハラスメントの例を挙げていた。彼女の思想や報道を気に入らない読者が「娼婦だ」とか「ドラッグ常習者だ」とか、根も葉もない情報を広げ、彼女は引っ越しを余儀なくされたという。なんだか日本でも聞いたことのあるような話だ。

殺害であろうとハラスメントであろうと、ジャーナリストへの攻撃は、「このトピックに触れたら同じような攻撃を受けるのだ」という恐怖を、声を上げようとする人々に植えつけてしまう。だからこそ、私たち一人ひとりが立ち向かう意思を表明する必要がある。アワードのスピーカーや受賞者たちから、そんなメッセージを受け取ったように思う。

ちなみにこのイベントを主催している「Free Press Unlimited」は、31ヶ国以上で、ジャーナリストに向けたトレーニングや緊急時の支援を行なっている。今日会場で話したスタッフの人が、オランダ外務省も発展途上国支援の一環として、同団体へ毎年財政支援を行なっていると教えてくれた。成熟した社会に報道の自由と独立したジャーナリズムが不可欠だからだという。昨年の報告書によると2018年の支援額は650万ユーロだった。こちらに来てから、民主主義を機能させるためのメディア・ジャーナリズム支援を政府が行って当然だ、という考えをよく耳にするように思う。

最後まで読んでいただきありがとうござました!