冨田真由さんの事件報道について思うこと

依然、マスコミによる例ストーカー殺人未遂事件の報道の仕方に疑問が残る。
違和感を感じるのは頑なに多くのメディアが"アイドル"と報じることだ。
場合によっては"地下アイドル"とさえ称されている。

アイドルに明確な定義はないだろうが、基本的には自ら自称・自認しない場合はアイドルイベント出演しようがアイドルと呼ぶべきではない。
(ファンの人がその人をどうカテゴライズするかは自由でいい。この場合は全くの第三者が称する場合の話。)

地下アイドルについては、CDの販売を主目的とせず、メジャーなレーベルに属ず、日々のライブ活動中心の活動形態を持つアイドルを指す場合が多い。
主に地下階にあるライブハウスでの活動が多いことから"地下"と言われるのだが、アンダーグラウンドということでイメージがあまり良い言葉ではないため昨今は"ライブアイドル"などとも言われる。
(余談だが地下アイドル最強を自負する仮面女子などは常設の"地上階"の劇場で活動していたりもする)

さて、今回の事件での被害者である冨田真由さんは果たしてアイドルと
呼ぶべきなのだろうか?

何年か前に小学館の女児向け漫画雑誌「ちゃお」の企画で付録DVDに
収録されるドラマ(フジテレビ制作)においてアイドルメンバー役を演じ、
劇中で活動するアイドルユニット「シークレットガールズ」として現実にも
ライブ活動やCDデビューをしていたようである。
参考リンク


明確にアイドルと呼ばれていたのはおそらくこの時だけだ。だがこれは役者としてアイドルを演じていたに過ぎない。
役のイメージが年月を経ても残ることは演じた人間にとってはおそらく嬉しいことであるが、いつまでもそればかり言われてしまい今の自分を見てもらえないと凹むこともあるだろう。

事件発生時に被害者が出演を予定していたイベントについてもアイドルイベントというよりは比較的新人のアーティストが起用されたようなものに感じる。
被害者もギター弾き語りでの出演だったようである。

では何故「アイドル」という表現で報道され始めたのだろうか?
事件直後の時点で冨田真由さんの名前を検索した場合、本人のブログやTwitterアカウントと並んで先述のシークレットガールズのサイトが候補に挙がる。
最初に事件の事が報じられ始めたのが21日の18時台のニュースなどと記憶しているので、事件発生からおよそ一時間ののちに報道されたことになる。
事件発覚後に情報を得るために検索をしたメディア担当者がシークレットガールズのサイトを目にして「元アイドル」あるいは「現役アイドル」なのだと錯覚したのではないだろうか。

簡単に言うとこの事件は
"夢に向け地道に活動を続けるシンガーソングライターのファンになった男が起こした凶行"
というものなのだが、ファンであった者に傷を負わされるという類似点から
安易にAKBの襲撃事件と絡めようというメディアの下劣な意図も感じられる。

国内メディアがこぞってこのような報じ方をした結果、海外向けにアイドル活動などを伝えるTokyoGirl'sUpdateまで惑わされ、やはりAKBの事件と絡めて記事を書いている。

事件の本質である"ストーカー化した者による犯行"という部分にまるでかんこう令が出されているかのように、今なおメディアの多くは冨田真由さんをアイドルとして、そして事件の問題点がアイドルとファンとの距離感が近いことなどと誤認して報じている。

これらの誤った報道の仕方により、イベントが中止になるなど、本来事件に
あまり関連のないアイドル界隈にまで影響が出ており、これらは二次被害としか言いようが無い。この状況を招いたのは間違いなくマスコミの報じ方だ。

ワイドショーとニュースの境界があやふやになっているのは今に始まった事ではないが、苦しんでいる被害者を蚊帳の外に面白おかしく伝えることは果たして必要なのか、疑問に思えて仕方ない。


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