佐久間三絵子

占いの何でも屋。西洋東洋占術研究家。ライター。鑑定歴25年以上。雑誌など執筆多数。Tw…

佐久間三絵子

占いの何でも屋。西洋東洋占術研究家。ライター。鑑定歴25年以上。雑誌など執筆多数。Twitterにてタロット bot @bot71142277 テスト運用中。

最近の記事

西洋占星術における天体① 太陽と月

そもそもジオセントリックホロスコープで、太陽と月だけがなぜ別格扱いされるのでしょうか?   いちばん用いられると言っても過言ではない太陽と月は、改めて考えれば惑星ではありません。他の感受点である水星から冥王星やエリスにかけて、すべて太陽系惑星です。しかし太陽と月だけは違います。  太陽は恒星、月は地球の衛星です。  このふたつが占星術を読み解くうえで重要な鍵を握っていると言われるのはなぜなのか。  そのあたりから、この太陽と月にホロスコープに作用する意味合いそのものが、水

    • タロット。大アルカナと小アルカナ、読み方のコツ。トランプ占いの有効性。

      大アルカナと小アルカナの読み方について、ややコツがあるので、お話ししたいと思います  大アルカナは、大秘儀と言われます。これは大きな意味での秘密という意味です。一方で小アルカナは小秘儀で、これは大秘儀に比べると、やや小さな範囲での秘密という意味。でもどちらが優位というわけでもなく、大小という言葉の上澄みに流されてはいけないと思います。大は小を兼ね、小は大を根底から支えます。そして大の礎を備え、小はさらに意味を持つのです。  小アルカナについては、よく似たものにトランプが

      • 西洋占星術で相性をよんでみる

         よくありますね、この人とは相性いいのかな、悪いのかな、みたいな話。  これを西洋占星術で見るとどうか、という観点で考察してみます。  たとえば「牡羊座と獅子座って相性いいんだってー」とかいうものですが、あれは基本的にアテになりません。  一般的にいわれる牡羊座、獅子座というのは、太陽星座のことです。牡羊座うまれ、獅子座うまれ、みたいな。この文言から『うまれ』と削除すると「私は牡羊座だから」みたいな会話や観点になります。  よくわかります。楽なんです。だって生まれ年なんか考

        • タロットの勉強法。78枚すべてのカードを書き終えて

           私がここで愚者のカードを書き終えたのは2019年11月だったようです。いま記事を確認したので間違いありませんが、Noteでは4年前、ということになっています。  実際のところ、大アルカナ22枚、小アルカナ40枚と人物カードを書き終わるまで4年もかかったのか、という思いでいっぱいで、4年前の私を振り返るには、ちょっと面映い感じです。でも現在の私が愚者のカードを書いたとしても、おそらく同じようなものを書くに違いありません。アップデートできていないわけではなく、根底に流れる解釈に

        西洋占星術における天体① 太陽と月

          タロット。21・世界

          生命の樹ではイェソドとマルクトのパス  大アルカナの旅もついにクライマックス。最後のカードである。  マルクト、すなわち物質界である地球へとまっすぐに着地し、すべての完了を意味している。地上へと生まれ出るこのカードは達成や完成だ。すっきりと道筋は決まっていて、過不足なく安全に着地する。1から始まった愚者の旅は世界のカードで完結する。このパスの安全性は、いままで培ってきた経緯、すなわち経験や振り幅の大きさに関係していて、左右の柱に大きく広げられていれば太いし、それほどでもなけ

          タロット。21・世界

          タロット・人物カードをどう考えるか

           タロットの小アルカナでとりわけ異彩を放つのが、コート(宮廷)カードと呼ばれる人物カードだ。  小アルカナは基本的に数の原理をもとに解釈できるが、人物カードには数字が記されていない。つまり各スートと絵柄から判断するというスタンスだが、それゆえ難しい側面が否めない。  たとえばタロットを勉強するとき、果たしてスムーズにすっきりと解釈できるかというと、個人的な感触ではあるが、なかなか困難ではないのかと思う。  少なくとも、人物を示すという解釈に沿って進めても、広げられたタロットは

          タロット・人物カードをどう考えるか

          2024年 占星術での歩き方

          これを書いている瞬間は2023年末のギリギリなのですが、大改革期というか大転換期と言われている2025年にかけて、2024年は本当にひとつのエポック的な年になると思います。2023年はまだ序章に過ぎない。そのあたりを含め、占星術での歩き方、つまり2024年の占星術的な過ごし方を考えてみたいと思います。 まずは時系列から。火星までは省いてあります。 2024年1月、冥王星が水瓶座へ    5月、木星が双子座へ    9月、冥王星が山羊座へ(逆行)    11月、冥王星が

          2024年 占星術での歩き方

          マルクト・小アルカナの10 生命の樹を体感する

          生命の樹でのマルクトは『王国』という名前がついている。これはそのまま王国であり、地球だ。目に見えるもの、触れられるもの、形になって実感できるものがマルクトにはある。空気は見えないと言われるかもしれないが、たとえば冷える朝に息を吐けば白いものが見えるので、きちんとそこにあると認識できるため、マルクトに存在している。身体、物質、現実的に起こる問題の数々。意志などの精神性はイェソドまでで、マルクトにまで至ると、すっかり生命の樹は様相を変えてしまう。 基本的に生命の樹の流れは上か

          マルクト・小アルカナの10 生命の樹を体感する

          生命の樹イェソド。タロット小アルカナの9。

          イェソドは生命の樹での中央の柱にある。下にはマルクト、上にはテファレトが配置されていて、西洋占星術での月に該当するとされている。マルクトは地球なので、生命の樹の高さから言っても、これが地球にとって天からの最終通告のようなものになる。 ただしホドからマルクト、あるいはネツァクからマルクトのパスもそれぞれ存在しているため、実際のところマルクトに直接的に触れているのはホドとネツァク、そしてイェソドになる。ホドあるいはネツァクからのパスが発達していれば、マルクトに到達するためには

          生命の樹イェソド。タロット小アルカナの9。

          生命の樹。ホド。小アルカナの8。

          ホドはケテルから続く生命の樹の8番目に位置するセフィラであり、西洋占星術での水星を意味している。 そもそも水星は言語能力に代表されるような知性を司っている。ここでの知性は、もうひと段階上がった智恵のような大きなものではなく、どのように使いこなすかという知性であり、応用力として現れやすい。 俗に言う「頭の良さ」というのはいろんな段階が見て取れる。それは信じられないようなところから引き出されるアイデアであったり、考えも及ばぬ発想をするというものから、与えられた材料を駆使して形

          生命の樹。ホド。小アルカナの8。

          タロット。20・審判

          生命の樹ではホドとマルクトのパス ホドに関しては西洋占星術で言うところの水星であるが、その働きがマルクト、つまり地球に到達するのが審判のカードだ。こう言うと天界からの使者か、と思われるかもしれないが、天界というものは基本的に地上から見た概念であり、少なからず天界の様相を書き換えている。つまり誰もが認識している天界と、本来の天界には開きがあると思われるが、審判のカードに関しては下から眺めている様子が描かれているので、これは地上から見た天界との接触の構図だ。 このカードでラッ

          タロット。20・審判

          タロット。19・太陽

          生命の樹ではホドとイェソドのパス 星の弱い光から、強さの不安定な月の光を浴び、ここで太陽の大きな光に照らされる。星や月の光では読み取れなかったものが浮かび上がり、目の当たりにできるようになるので、かえって驚くかもしれない。この『ハッキリと形がわかる』というのが太陽のカードのざっくりした真意だ。 マルセイユ版とウエイト版での絵が違う。マルセイユ版での二人の子どもは、ウエイト版になるとひとりが姿を変えて馬になる。マルセイユ版の二人の子どもは性質の違う双子であり、ウエイト版

          タロット。19・太陽

          タロット。18・月

          生命の樹ではネツァクとマルクトのパス 星のカードでは女性が一心不乱に水を注いだが、月のカードはその水がマルクトへと流れつき、ひとつの動きを作り出す。 マルクトはそもそも地上の王国と言われていて、いま私たちが存在している世界での王国である。ただし、ひとつの生命の樹ではあるものの、このひとつなぎの軸を本流にするなら、下位世界のケテルにも成り得るセフィラだ。かなり猥雑にはなるが、実はどのセフィラも『軸をそこに当てるなら、そのセフィラがケテルになる世界はある』という考え方がある。

          タロット。18・月

          タロット。17・星

          生命の樹ではネツァクとホドのパス ひとつ前の16・塔のカードで徹底的に築き上げた物質を破壊された。そのためなんのこだわりがない状態になるとどうなるか、というカードが、この17・星のカードだ。 塔がなくなった地面には人口建造物がない。たとえば東京のビル群が破壊されつくしたらどうなるだろう。ビルに遮られた空は広々と広がり、夜になれば星は輝きを取り戻すだろう。 17という数字は素数であり、いきなり現れる流れである。この場合は下一桁の数字と、合計された筋の両方で意味を吟味するが、

          タロット。17・星

          2023年を読む

          風の時代と言われる場面が増えたのは、一体いつのことだったでしょうか。 グレートコンジャンクションあたりかな。 2023年は冥王星が水瓶座に移る時期があるので、いわゆる本格的な風の時代を垣間見ることになるのですが、2023年のうちに逆行してまた山羊座に戻るので、まだ序の口です。 私自身、実はあまり風の時代という言葉が好きではありません。 これは『いやそんなこと言ったって時代はいつも変わっているし』という一点で語りつくしてしまう勢いなのですが、だってそうでしょ。いわゆる風の時

          2023年を読む

          スランプだと思ったときの占星術

          スランプは誰にでも訪れるものです。 どうやってもうまくいかないとか、なんとなく気分が乗らないなど、そのスランプの質もさまざま。 では占星術で、そのスランプの本質を読み、対応するのは可能でしょうか。 もちろんトランジット(経過)チャートを出せば可能です。プログレス(進行)チャートも影響はありますが、今回はトランジットをメインとして考えてみましょう。いろんな方法がありますが、代表的なものをいくつか挙げてみますね。 まずは、そのスランプがどこからくるのかを考えてみましょう。 そ

          スランプだと思ったときの占星術