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むぎのタロット講座 第3話 ウェイト版タロットの大アルカナについて/正位置・逆位置について

タロットの正位置・逆位置の捉え方、ウェイト版タロットの大アルカナの概要など、タロット占いの意味を学ぶ上で大切なポイントをまとめました。
(2022年6月25日更新)

解説動画

1 ウェイト版タロットについて

1−1 ウェイト版タロットとは?

ウェイト版タロットは秘密結社黄金の夜明け団の会員であるアーサー・ウェイトが作成したタロットで、出版された出版社の名前からライダーパック、ライダー版と呼ばれる場合もあります。
初版以来、世界中で使われているタロットですが、彼が所属していた秘密結社「黄金の夜明け団」のタロット解釈が採用されています。

大アルカナと小アルカナ

タロットカードは大アルカナと小アルカナから構成されています。ウェイト版の場合は、大アルカナが22枚、小アルカナが56枚の計78枚から成り立ちます。

大アルカナ:全22枚
愚者、世界など個別の絵札がついている。0の愚者から21の世界まで、0から22までの番号がついている。「タロット占い」という場合には大アルカナは必須。
小アルカナ:全56枚
ワンド・カップ・ソード・ペンタクルという4つのグループ(スート)に分かれており、それぞれのスートに1から10までの番号のカードと、キング・クイーン・ナイト・ペイジという宮廷(コート)の人物が描かれたコートカードに分かれます。小アルカナの全てのカードに絵柄がついたのはウェイト版が最初です。

「黄金の夜明け団」とタロット

黄金の夜明け団は19世紀末のイギリスに発足した秘密結社で、近代魔術を研究していた集団です。彼らはユダヤの神秘思想を中心に、さまざまな知識を研究しており、その中でタロットもその研究対象でした。彼らはカバラにとっての世界観・宇宙観をあらわすセフィロトの木にタロットの各カードが対応すると考えており、大アルカナがセフィロトの木のパスに、小アルカナがセフィロトの木の各セフィラに対応しています。


タロット占いをするだけならばセフィロトの木について理解している必要は特に無いと思います。ただ、解釈しにくいカード、モチーフがよくわからないカードについてはセフィロトの木に立ち返るとあっさり意味がわかったりすることもあります。また、セフィロトの木を知ることでモチーフの意味を多様に理解することができるのでは無いかなと思います。

マルセイユ版タロットとウェイト版タロット

ウェイト版タロットはマルセイユ版タロットをベースに、黄金の夜明け団やアーサー・ウェイトの意図に従ってカードのデザインや順番を変更しています。

マルセイユ版と比べると、非常に大きく構図やモチーフが変わったものから、あまり変わっていないものまでさまざまな違いがあります。ウェイト版とマルセイユ版を比べてみることで気づくこともたくさんあるのではないかなと思います。

1−2 ウェイト版タロット 大アルカナのおおまかな意味

タロット占いは、22枚の大アルカナだけでも実施できます。
カードに慣れないうちは、22枚の大アルカナだけをつかってもいいのではないかなと思います。また、タロットのゴールは問題解決です。22枚でも十分に商業クオリテイの占いができると私は思います。

1枚1枚のカードの意味については次の記事以降に説明しますが、大アルカナの各カードのおおまかなキーワードをこちらにまとめます。

タロットカードは、歴史的な成立背景を考えても、「絶対的な正しい意味」が存在しないカードだと思います。そのため、カードを丸暗記するのではなく、ざっくり、カードのイメージを自分の言葉で掴み、占いに生かしていくのがいいのではないかなと思います。
あなたのカードの解釈と他の方の解釈が違っていていいことが、タロットの魅力だと私は思います。まずはざっくり意味をとらえつつ実際の占いをやていくのがいいのではないかと思います。

2 正位置・逆位置について

逆位置のカードの解釈

逆位置のカードの意味を本などで調べると、なんでこんな意味になるのかがよくわからないと感じられたことも多いのではないでしょうか。例外のカードもありますが、私は逆位置のカードはそのカードの持つ意味が中庸をはずれて、過剰や不足に働いている、と考えるのがいいのではないかと思います。

中庸(=メソテースμεσοτης, Mesotes)
プラトン、アリストテレスなどによって言われた「徳(アレテー)」のあり方。何か特定の概念が「善」なのではなく、その概念が超過や不足なく、中庸を保っていることこそが「善」であり「徳」であるという考え方
例:「勇気」
超過:後先かまわず命知らずな振る舞いをしてしまう「無謀」
・不足:自ら行動を起こすことができない「臆病」
勇気そのものがいいとか悪いとかではなく、その文化に応じた中庸を保った勇気こそが素晴らしい

タロットカードの逆位置の解釈
正位置のカードが持つ意味が中庸を外れて過剰や不足ではたらいている
と考えるとわかりやすいことが多い(一部例外もある)
例:愚者 (キーワード:自由、混沌)の逆位置の解釈
過剰:自由度が高すぎて、自分で何も決めることができない。
・不足:自分で自分の選択肢を狭めてしまっている。不自由を感じている。

逆位置のカードの読み方

過剰・不足の2つのケースが存在するため、逆位置のほうが読みの幅が広いことが多いです。過剰・不足どちらで読むかに明確な決まりや法則はありませんが、置かれた状況や他のカードと一緒に読んでみたときにピンとくる方、しっくりくる方で考えるのがいいのかなと思います。
最初は練習も兼ねて、逆位置が出てきた場合は「過剰で読むとどうなるかな?」「不足で読むとどうなるかな?」とそれぞれ考えてみるのもいいと思います。

過剰・不足で読みにくいカード

逆位置を過剰や不足で読む、というのはあくまで私自身がカードを理解・説明しやすくするために取り入れているお話しです。そのため、絶対的な正解ではありませんし、カードの意味によっては「過剰」「不足」が考えにくいカードもあります。
大アルカナでは「死神」と「塔」は「過剰」「不足」で考えにくい例外的なカードだと私は思います。
それぞれのカードの意味を簡単にまとめます。

このように、一部例外もありますが、概ねほとんどのカードは正位置のカードが持つ意味の「過剰」「不足」で説明できます。
次回以降、各カードの意味の解説をしていきますが、その際にも逆位置の意味は一部の例外を除き、過剰や不足で考えていきます。

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