ゲーム制作過程を公開していきます

ゲームを作り始めて約5年。大体年間2本くらいのペースでゲームをリリースしてきました。ゲーム1本あたりの開発期間はおおよそ半年程度です。

これまではゲームの詳しい情報については、リリースの3ヶ月前くらいまで公開するのを控えていました。
その理由はライバルの開発者に、アイデアを真似されるのを恐れていたからです。

もし、誰かが私のアイデアを丸パクリではないとしても一部流用し、それがこちらより先にリリースされた場合、パクリ認定されるのは私の作った方のゲームになってしまいます。

それを恐れて、これまではゲームの詳細、特に肝となるシステムについてはなるべく非公開にしてきました。

でも今回、その考え方を改めることにしました。

というのも、ゲームの情報を早めに公開する場合のメリットとデメリットを比べると、圧倒的にメリットが多いことに気がついたからです。

早期情報公開のメリット
・早い段階からゲームのことを知ってもらえ、ファンを多く獲得できる
・SNSなどで制作過程を頻繁にアップすることで、開発を怠けにくくなる
・ユーザーの声を開発段階から取り入れることができる

早期情報公開のデメリット
・ゲームのアイデアをライバルに真似される可能性がある

こんな感じでしょうか。

で、この『ゲームのアイデアをライバルに真似される可能性がある』というデメリットですが、可能性としては実際にはかなり低いのではないかと思います。

以前は誰かのアイデアを真似した場合、一部の人がその不正に気が付いても、新聞やテレビで取り上げられない限りは知らぬ存ぜぬで押し通せていましたが、TwitterなどのSNSが発達した現在、他人のものを真似るという行為はSNS上で厳しくバッシングされる状況にあります。

またゲームについては、音楽や小説と同様に著作権が発生しているので、万が一、真似されても著作権侵害で訴えることができます(※1)
つまり、ゲームの情報を先に公開して世間に認知された方が、むしろ模倣されにくくなるのです。(※2)
まさに、攻撃は最大の防御。

※1)グリーが著作権侵害でDeNAを訴えた話は有名。近年では人気ゲームの荒野行動がPUBGを真似しているとして開発元から訴えられ、結局和解となったのは記憶に新しいですが、あれは私のような零細ゲーム開発者とは住む世界が違うのでまた別のお話。(結局は荒野行動側から納得できるライセンス料などの補償があり、かつバトルロイヤル系のゲームが盛り上がる効果もあったので、パクられた側のPUBGの損失は少なかったのではないかと思っています)

※2)ただし、画期的なゲームルールなどについては別の話で、例えば僕がテトリスを開発して公開した場合、落ちてくるブロックを横一列に並べたら消える、というルールの特許を先に取られてしまうとどうしようもありません。あくまでも著作権と特許は別物。

パクリの被害者にも加害者にもなりたくない

そしてもう一つ、僕が最大のメリットだと思っているのは、早めに情報を公開することで、自分の開発しているゲームが何かのパクリになるのを防ぐということです。

話題になっている有名なゲームについて、私もタイトルくらいは知っていますが、実際に遊んだことがないものがほとんどです。やはり個人開発の場合、社員がたくさんいる一般企業と異なり、情報のインプットが限られてしまいます。

そんな状態の私がもし開発を進めて、リリース段階になって「あなたのゲームは何々に似ていますよ」などと言われたら目も当てられません。指摘ならまだしも、裁判沙汰になればゲーム開発を廃業しなければならなくなります。
ですので、自分がパクリの被害者にも加害者にもならないために、開発中の情報を公開することは必要だと思ったのです。

ということで、今開発しているゲームについては企画段階からの情報をTwitterなどで公開していこうと思います。私と同じように個人で細々と開発している人やこれからゲームを作りたい人たちの参考になればという思いも込めてやっていきます。







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