ゾウのように大きなカブトムシ
雑木林で、大きなカブトムシを見つけた。
「あのカブトムシ、ずいぶんと大きいね!」わたしは思わず叫ぶ。
「あー、あれかぁ。あれね。きっと、『ゾウカブトムシ』ってやつよ」中谷美枝子はそう言ったが、たぶん、その場で思いついたのだろう。
わたしもそう名付けたと思う。生い茂る木々の間から、立派なツノを上下に揺らし、のっしのっしと歩いている。確かにゾウのように大きかった。
「よーし、あいつを捕まえて飼うことにするよっ」わたしは林に向かう。
「よしなって。カブトムシは、夏の間しか生きら