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「無駄」ができるまでの無駄話

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「無駄」が出来るまでの無駄話 shu編

shu君はパブNGということで、いまペンネームをぼくが勝手に考えてます。

shu君は東北出身です。大学への進学で上京してきました。法学部です。たしか5月か6月、だから彼としては大学に入学し、少し落ち着いたところで個別指導塾でアルバイトをはじめることにしたのでしょう。そう、ぼくの働いていた個別指導塾です。

出会った頃の彼は若かった。なにせ十代です。人見知りで、誰とも会話をせずに黙々と仕事をしてい

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「無駄」が出来るまでの無駄話 飯野雅敏編

雅敏はぼくがアルバイトをしていた個別学習塾の生徒でした。たしか、彼が中学二年の春休み、春期講習の時にやってきたのです。

「なんだかすごいやつがいる」というのが講師の間での噂でした。「どんな風にすごいんだろう」期待と不安を抱えながら、ぼくは彼との初めての授業に臨むことになるのです。

雅敏は実にフレンドリーな男です。もしかしたら、度が過ぎる、無礼だ、と評価する人もいるかもしれませんが、ぼくは彼のそ

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「無駄」ができるまでの無駄話 種田元晴編

ぼく、兼藤は、「無駄」主要メンバーである種田元晴さんのことを種田先生と呼びます。これは、ぼくらの出会った個別指導塾の風習というか、アルバイトの講師、それがたとえ大学生同士であっても、互いのことを「先生」と呼んでいたのです。おそらく、通ってくる子どもたちにとっては雇用形態や年齢がどうであれみんな先生なんだ、ということなのでしょう。そのころのクセが抜けずに、いまにいたっています。それに、そもそも種田先

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「無駄」ができるまでの無駄話 兼藤伊太郎編

ぼくらはいま、「無駄」という雑誌を作ろうとしている。作って、11月の文学フリマ東京で売るのだ。どうせ作るなら多くの人に手に取ってもらいたい。とはいえ、どこの馬の骨とも知れないやつの書いたものにお金を払いたいという人がいるだろうか?そもそも、ぼくらのことなど誰も知らないのだ。存在すら知らないものに興味を持つことなんて不可能だろう。

というわけで、これは宣伝です。宣伝のための自己PRであり、ぼくらの

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