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【読書メモ】現代優生学の脅威

お疲れ様!
今日は「「現代優性学」の脅威」について。
ちょっとセンシティブのテーマなんですが、感想を投稿していこうと思います。


1優生学は終わっていない


なんでこの本を読もうと思ったかと言うと、以前行動遺伝学についての本を読んだから。
優生学と言えば、ナチスのヒトラーがそれを用いて、ユダヤ教の人たちを迫害しした残酷な歴史があるよね。目をつぶりたくなるテーマではあるけれど、ナチスがいなくなったから、もう現代に存在しない、という話でもない。まだまだ私たちの世の中に根強く残る問題なんだよね。
優生学とは、簡単に言えば、優秀な血筋は残し、劣った血筋の人は断絶したり、有益になるように改良しましょう、みたいな話。
どんどん遺伝子に関する医学も進歩している現代において、優生学の思想は、ますます向き合わなければいけない問題な気がするよ。

2余裕がない時、優生思想が強まる


ドイツでの優生学の歴史について詳しく書かれていたんだけど、興味深かったのは、経済的に困窮した時代にはこういった思想に染まりやすいということ。第二次世界大戦中のドイツというのは、第一次世界大戦の敗退によってとても貧しかった時代なんだよね。人々が余裕を失った時は、優生思想のような思想がはびこりやすい。
逆に、世の中が豊かになると、みんなの人権を認めましょうみたいな、そういった思想になっていく。

これって、子育てにも通ずるなぁなんて思っちゃった。自分に余裕がないと、子供に厳しくしようと思っちゃったりとか、手が出そうになっちゃったりとか。子供自身は変わらないんだけど、こっちの余裕のなさ次第でかなり状況が変わってしまうんだよね。
そういう意味で、世の中全体が余裕を持つとか、豊かさを持っているっていうのは、どうしても大事な要素になってくるんだろうなぁと思う。

3役に立つかどうか、だけではない


資本主義の現代社会では、役に立つかとか、効率的かどうかとか、能力が高いかどうか、そんなことばかりが重視される。私たちは、幼い頃からその価値観に染まっていて、役にたたなければ意味がない、みたいなことをもう疑いもなく信じ込んでいる。
でもこれが、結構優生学に的な思想につながりやすい考え方なんだよね。
役に立たなかったら、意味がない、それがエスカレートする、生きていても意味がない、みたいな考え方になっていってしまう。
ちょっときれいごとみたいに聞こえるかもしれないけど、役に立たないこととか、非効率なものの価値にも目を向けることも大切なんじゃないかなぁって思う。

優生学なんて聞くとどきっとしてしまうけど、結構身近な問題。尊厳死とか安楽死とか、出生前診断とかね。目を背けずに、考えていこうと改めて思いました。ちょっと重めなテーマでしたが、この辺で!まる

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