2021.02 良かった新譜
12枚、A→Z順、日付はリリース日です!
Cadavoracity - Vitiosus Forma Exilium
(EP, 2021.02.08, Brutal Death Metal)
ブルデス全然知らないけど、めちゃくちゃカッコいい。音楽性は違えど、昨年一番衝撃を受けた「Serpent Column - Endless Detainment」に感じた、「過剰な混沌で、理性的になる瞬間のクールさを際立たせる」という手法(?)が本作もバッチリ決まってる(理性的になるのは本当に刹那も刹那ですが)。人間辞めすぎて理解不能なドラミングと、全く何やってるかわからないその他の演奏も、何故かカッコいいと思えるのはそういうことなのかなと。
Cherry Bullet - Cherry Rush
(EP, 2021.01.20, K-Pop)
リード曲「Love So Sweet」が抜群に良かったので...。80's的なサウンドと、KARAや少女時代周辺の第二次韓流ブームっぽいキャッチーなメロディーで、ノスタルジーが重層化してる。
For Your Health - In Spite Of
(Album, 2021.02.12, Screamo)
Shin Guard(現・Hazing Over)とのSplitでも高く評価されていたUSスクリーモ。後述のHeartlapseも然り、あらゆるエクストリームなジャンルにマスコア的要素が配合されていくのが一つの"今っぽさ"なのかもしれない。
極個人的な持論として、日々SNSやインターネットにどっぷり浸かってる現代人は、本来人間が受け入れられる容量を遥かに超える情報に晒されている気がしていて、それによって発生する混乱は、空き容量が足りなくなった機器に発生する「バグ」を想起させる。
昨年リリースの傑作スクリーモ、nuvolascura - As We Suffer From Memory and Imaginationを、3LAが「バグっていく世界に共鳴する」作品と表現していたけど、バグが内包される世界に生きている今、唐突で不協かつ無調なマスコアのような「バグ的表現」にこそ切実さが宿るのは自然な流れでは(3LAさんが、どういった意図でこの表現を用いたのかはわからないけど。まず自分は歌詞をチェックできていないので、サウンドの印象の話です)。これはもしかすると、Hyperpopの隆盛にも関連する示唆かもしれない。そして、そうだとすると「For Your Health」というバンド名はなんだか皮肉ですね。
Hazing Over - Pestilence
(EP, 2021.02.19, Deathcore)
Shin Guardがメンバーチェンジ・コンバートを経て本バンドに改名。独自性のあったShin Guardの新曲がもう聴けない(?)のは残念だけど、これはこれで十分カッコいい。
Heartlapse - Remains
(Album, 2021.02.05, Metalcore)
ハンガリーのメタルコア。Melodic Hardcore(叙情ハードコア)、Metalcoreのタグが付いているバンドだけど、それに加えて激情・マスコア・オルタナ的な要素を器用に練り上げていてとにかく質の高い一枚。CODE ORANGEやVeinのような編集感覚も微かながら匂わせていて、今後さらに化ける予感もある。
maco marets - WSIV: Lost In November
(Album, 2021.02.26, Hip Hop)
nothing,nowhere. - Trauma Factory
(Album,2021.02.19, Emo Rap)
自分は「ruiner」からn,n.にハマったので、Travis Barkerとのコラボ作や最近のシングル曲の、バンドサウンドやポップパンクへの傾倒にはあまりピンと来てなかった。が、今作は時に無機質でもあるビートと、バンドサウンドの身体性が絶妙に噛み合ってると思う。その高低差こそが、エモやから...。
Pale Waves - Who Am I?
(Album, 2021.02.12)
00年代ポップロックリバイバルの大本命(今作ジャケットはAvril Lavigne「Let Go」の、シングル「Change」ジャケットはParamore「Brand New Eyes」のオマージュに違いない)。てか関係ないけど、「若いクリエイターがティーンの頃の影響を作品に反映させる」流れが、US/UKではアヴリルやパラモアのリバイバルで、日本ではボカロ風の楽曲群がそれに当たるんですかね?
Teenage Wrist - Earth Is A Black Hole
(Album,2021.02.12)
ヘヴィだけど肩の力が抜けているバランス感覚が良すぎる。後半は怒涛のキラーチューン連発。CounterpartsがSNSでやたらTeenage Wristを推してるけど、落ち着いたら日本でも一緒にツアーやってくれ〜。
Ryan Sambol - Gestalt
(Album, 2021.02.01, Comtemporary Folk)
Unknown Artist - The Stench Of Delusion
(EP, 2021.02.22, Avant-garde Black Metal)
謎のアーティスト、19分一曲勝負。Serpent C olumnに近いアバンギャルドブラックで、自分はこのジャンルが好きなんだと気付けたので、今後も追ってみます。
Yasmin Williams - Urban Driftwood
(Albun, 2021.01.29)
かなり独特のプレイスタイルがインパクト大だが、内容はアメフト〜Owenの近作、あるいはichikaにも通ずるようなテクニカルかつマスい変則チューニング(多分)での美エモアルペジオ&タッピングでのギターインスト。どのようなシーンで評価されているのかイマイチ掴み切れないのですが(一応Comtemporary Folkに分類されてるけど、そういう感じでもないし)、テクニカルなマスロックファンとか、そっちの道の人にもハマりそうです。
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