【校正担当者のワンポイント解説】 治験薬/被験薬/対照薬
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【校正担当者のワンポイント解説】 治験薬/被験薬/対照薬

こんにちは、MTS品質保証部の小泉です。
今回は治験実施計画書や治験報告書などの治験関連文書に出てくる「治験薬」、「被験薬」、「対照薬」についてみていきましょう。

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被験薬
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「被験薬」とは、まだ承認されていない開発中の薬剤で、治験実施の目的となる薬剤のことをいいます。

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対照薬
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対照薬とは、治験において新薬(被験薬)の有効性・安全性を確かめるために被験薬の比較対象として用いられる薬のことで、対照薬は以下のように分類されます。

<対照薬の種類>
実薬
すでに製造販売承認許可が下りている薬。市販薬。
実薬を対照薬として用いる比較試験は、「実薬対照試験」と呼ばれます。
プラセボ(偽薬)
でん粉や乳糖などを原料として作られた、薬効成分を一切含んでいない薬。
見た目や味などの特徴が被験薬と同一になるように製剤化されています。
プラセボを対照薬として用いる比較試験は、「プラセボ対照試験」と呼ばれます。

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治験薬
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「治験薬」とは治験に用いられる被験薬及び対照薬を指します。

治験薬
対照薬
被験薬
《代表的な訳語》
被験薬:investigational drug, study drug
対照薬:control drug, comparator
実薬:active (control) drug
プラセボ:placebo
治験薬:study drug, investigational drug
米国では、臨床試験に使用する新医薬品を“investigational new drug (IND)”とも呼びます。
対照薬を用いない治験では、承認を求める薬剤を指して「治験薬」を用いることも多いのですが、この場合の「治験薬」は「被験薬」と同義です。
また、英語での表現のバリエーションとして、“drug”の代わりに”agent”や“treatment”を用いて、“investigational agent”や“study treatment”と記載される場合もあります。

上記のように、治験薬/被験薬/対照薬にはいろいろな表現があり、また文章中に混在していることもあるので、翻訳作業時には注意が必要です。
原文の用語がどの意味で用いられているかをしっかりと把握し、適確な訳語になっているか確認することが大切です。
今回の内容が、皆様の翻訳の際にお役に立てば幸いです。ご覧いただきありがとうございました。

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