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体験とフィードバック

AtypIのワークショップに参加してきた。
https://www.atypi.org/conferences/tokyo-2019

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AtypIは毎年1回、世界各地の都市で開かれ、文字にまつわる様々なカンファレンスやワークショップが開かれる。今年は東京で開催されるということで、せっかくなので以下の2本のワークショップを体験した。

西洋カリグラフィ集中コース
Cesar Puertas(セザール・プエルタス )
https://shop.typograma.com

新しいスクリプト体を作る
Petra Dočekalová(ペトラ・ドチェカロヴァ)
https://www.petra-d.com

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カリグラフィなど、実際見たりしないと本を読んだだけではわからない部分が多い。書いているのを直接見ることができることと、自分の書いたもののフィードバックがもらえる機会は学校などを出るとなかなか無い。

最近は、InstagramやYoutubeなどでカリグラフィの制作動画を載せているアカウントも多い。スピード調整していなければ速度もわかるし、ペン先の様子を見れば実際どのくらいのサイズの紙に書いているのかもわかるが、やはり実際に見れると良い。

書道のようなものにしてもそうだが、文字の造形は用いる道具と塗料(あるいは彫り方)、道具の持ち方と角度などによって割と物理的な要素によって決まるので、そのニュアンスがちゃんと感じられるかどうかが、造形の成り立ちの理解につながる。
その理解は自分の手で確かめることでより深まる。細かい部分のエレメントの造形がどう出るのかというのは、書いてみてから出ないと気が付きにくい。

また、カリグラフィにしてもレタリングにしても、文字のカウンターの取り方を指摘してもらうことは、特に初心者が気が付きにくい部分なので参考になる。
はじめはストロークばかりに集中してしまい、カウンターにまで気が回らない。
「S」の上下のカウンターのバランスはこうすると良い、とか、この文字のストロークを右に持って来すぎると次の文字とのレタースペースが他と比べて広くなりすぎる、など。線の流れだけを追っていてはダメなのだと思わされる。

3時間ずつでは時間が足りないとも思ったが、様々なスタイルに触れられたのはとてもよかった。

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ボランティアスタッフとして来ていたポーランド人の学生さんに話す機会があり、自分が作った欧文フォントを見てもらった。アルファベットネイティブの人に見てもらいたいと常々思っているので。
「どこがと具体的に言えないけど日本っぽい感じがする」とのこと。やっぱ見てもらうもんだな、と思う。

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