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SmartHR アクセシビリティ月報 2024年6月号!と、やさしい日本語リリースまでの話。

こんにちは!SmartHRのアクセシビリティスペシャリストをやっているmaihaです。この記事はSmartHRアクセシビリティ本部のオープン月報です。
2024年6月のアクセシビリティトピックをお知らせします!

おまけに、6月にリリースしたやさしい日本語の取り組みの振り返りも書きました。よろしくお願いします。


6月のアクセシビリティ改善のリリース

アクセシビリティ向上に関するプロダクトの改善リリースは3件ありました!

最近のSmartHRのプロダクトは、標準的なアクセシビリティの品質レベルがかなり高くなり、基礎的なアクセシビリティ品質担保の取り組みが当たり前に行われるようになっています。

特に、新しいプロダクトでは、最初の実装から高いアクセシビリティが実現できているため「アクセシビリティ改善」のチケットが切られることも少なくなってきました。なので、「改善」としてリリースノートで出る件数は今後そこまで増えないかもしれません。

当たり前にやるようになってくると、単独の活動として追いにくいこともあり、社外に発信する機会を逃してしまったりしますが、引き続きLTイベントなどで発表していければと思います。

イベント情報

1つめ。8/19(月)にSmartHRオフィスでLT祭りをやります。
参加者・登壇者ともに募集中です!お待ちしております。

2つめ。9/6(金)にSmartHR 東海オフィスでLT祭り出張版(アクセシビリティカンファレンス名古屋の前夜祭)をやります。こちらは参加者・発表者ともに満席となっております!ありがとうございます。名古屋でお会いしましょう!


今月の小ネタ: やさしい日本語リリースまでの話(中の人の振り返り)

ダッシュボードのような画面のスクショ。ヘッダーに地球儀のようなアイコンボタンがあり、そこから展開された小さなメニューには対応している言語が並んでいる。一番下の項目には「やさしい日本語」と書かれている。
SmartHR ホーム画面のスクリーンショット

先日、SmartHRのホーム画面でやさしい日本語の表示が利用できるようになりました。やさにちPJ、開発チーム、広報などなど関係者の皆さん、ありがとうございました!

さて、私の所属するアクセシビリティ本部は「エッジユーザーの使える」と「一歩先の製品価値」に責任を負う部署です。

横軸に「多様性」、縦軸に「使いやすさ」を示すグラフ。グラフは山形のカーブを描いている。上方向の補助の矢印にはプログレ、左右方向の矢印にはプログレと書いてある。
ユーザーの多様性に対応するプログレ(現アクセシビリティ本部)の役割を示す図。
「やさしさ」禁止!SmartHRのプログレッシブデザイン宣言 より

(※2023年まで、プログレッシブデザイングループという組織名でしたが、2024年からアクセシビリティ本部に変わりました。)

簡単な言葉を使ったり、文章を短くすることで、より伝わりやすいものにするやさしい日本語は、まさに、働くときの手続きや情報のアクセスにおいて困難のある・マイノリティであるユーザーの「使える」や「使いやすい」を実現できる手段だと考えています。(参考: 外国人従業員が日本企業で人事労務手続きを行う難しさについて)

やさしい日本語に、そんな可能性を感じたのが2023年の夏。社内Slackで私が「やさしい日本語で何かやりた〜い!!」と騒いでいたところ、多言語化ユニットのチーフ sawaiさんと、UXWグループのotapoさんが賛同してくださり、どんな価値を生み出せそうかを3人で話し合いました。

やさしい日本語は、BtoB SaaSでの活用事例がほとんどなく、当社としても完全なる新規の施策のため、全てが手探りでした。身の回りにあるできそうなこと(ユーザーヒアリングや、既存のサポートコンテンツの書き換え)をひとつずつ試してきました。

SmartHR利用に関するお知らせポスター。大切なお知らせ 10月31日までにSmartHRに登録してくださいと書いてあり、その下には操作手順が記載されている。一部の漢字にふりがながふってある。
SmartHRの登録について案内するポスターのやさしい日本語版。
ユーザーがカスタマイズして利用するため、ふりがなは最低限にした。
(ふりがなの数だけ、カスタマイズ時の編集箇所が多くなってしまう)

ユーザーヒアリングなどのリサーチ活動を経てメンバーの士気も高まった2024年初めごろ、プロダクトの対応等も見据えたプロジェクトとしての動きが本格化しました。

まだまだ認知度の高くない、やさしい日本語の啓蒙活動として、先輩方とウェビナーを開催したりもしました。やさしい日本語をサービス上で提供している企業・団体が少ない中、先立って取り組んでいるアルファサード 野田さん、eboard 中村さんのお話は私たちにとっても勉強になりました。

そして2024年6月、SmartHRのホーム画面でやさしい日本語を利用できるようになりました。ほぼ2つ返事で、やさしい日本語切り替え対応の実装にノッてくれたホーム画面の開発チームには本当に感謝しています。ありがとうございます。

今後も対応機能を増やし、今までSmartHRを使えなかったユーザー、使うのに不便していたユーザーが「自分で、迷わず使える」状態を実現していきたいと考えています。

アクセシビリティ本部は、SmartHRを全ての人にとってアクセスしやすいサービスにしていく部署です。既存のウェブアクセシビリティの手法にとらわれず、外国人向けに対応言語数を増やすだけでなく、実際にユーザーのもとにある課題や障害になっているモノ・コトに着目して、これからも新しい取り組みを進めていきたいと思います。

このようなボトムアップでチャレンジングなプロジェクトを歓迎してくれる会社、なかなかないのでは?と思います。SmartHR、いい会社ですね。(各職種、カジュアル面談をやっています。

おわりに

今回の月報から、アクセシビリティスペシャリスト・アクセシビリティエンジニアが持ち回りで月報を投稿することにしました。来月はmasuP9が小ネタを交えて、月間のアップデートを投稿する予定です。

それでは、毎日暑いですが水分とって頑張りましょう!おわり。

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