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15週で流産となった私の記録【赤ちゃんのためにしたこと】

体外受精で妊娠し、ようやくつわりも治まってきた15週、健診で稽留流産していることが判明。
その後、誘発剤による自然排出を行いました。
診断直後から、入院、火葬、仕事の調整、家族への連絡と今まで全く想像していなかったタスクが降り掛かってきます。

悲しみのどん底にいる状態。
それでも、涙を流しながら、様々な情報を調査し、赤ちゃんのためにやれることを考えました。

大事なのは「赤ちゃんにしてあげられることをちゃんとやりきる」ことでした。
「できることはやった」と思えなければ、今も私の後悔はとても大きかったと思います。

このnoteでは、私たち夫婦が「赤ちゃんのためにしたこと」を綴っていきます。

※ご注意
あくまでも記録として残しておりますので、これらを推奨するものではありません。記録することで、同じ悲しみに出会った方の助けに少しでもなればと考えています。

1.仕事の調整や家族への連絡は早々に済ませる

個人の性格によるのですが、私はタスクがあるとそちらに意識が行ってしまい、自分の感情に向き合えなかったので、すぐに仕事関係の方と家族には連絡しました。
「すぐに連絡するなんて、気持ちの整理がつかない」と思われるかもしれません。

すぐ連絡するなんて、なんて思われるだろうか?
こんな話、みんなになんて言われるのだろうか?
時期尚早なのではないか?

そんな想いが頭を巡ります。ただ、赤ちゃんと一緒に居られる時間は限られています。
早めに「やらねば」を取り除くことで、落ち着いた状態で、今の自分の感情や悲しみと向き合うことができました。

2.赤ちゃんに名前をつける

私は「名前をつけるとずっと忘れられなくなって、つらい思いをするのでは…?」と考えていました。

そんな時、夫が涙ながらに「名前をつけてあげよう」と言ってくれました。

私は「名前をつけたら、赤ちゃんを忘れられなくなるのではないか」という不安があり、自分が傷つくことから逃げていたんだと気付かされました。

名前を付けることが一番、私の気持ちを落ち着けてくれたと思っています。
名前の効力はすごい。
名前をつけた途端、赤ちゃんの存在を今まで以上にはっきりと感じられるようになっていました。

偶然にも、夫が付けたい漢字と私の付けたい漢字を組み合わせると、とてもしっくりする名前が見つかりました。
赤ちゃんがお腹に来てくれた証、これからもその存在を忘れないために、名前を付けることは本当におすすめです。

3.入院までにお腹にいる間の写真を撮っておく

私の場合、赤ちゃんの大きさは12週程度で止まっていました。
そのため、あまりお腹は出ていなかったのですが、夫が私のお腹を撫でている写真をセルフィーで撮りました。
妊娠していたこと、赤ちゃんと共に過ごしたことを忘れないために、少しでも記録を残しておきたかったのです。

4.赤ちゃんへの手紙を夫婦で書き、読み合う

赤ちゃんの棺に手紙を入れようと考え、夫婦それぞれに手紙を書きました。
書いている最中は二人とも号泣です。それでも、構わず想いを綴ります。

書き終わったら、夫婦で読み合いっこしました。
二人とも似たような文章を書いていて、私達夫婦の思いは同じなんだと改めて確認することができました。

私の夫は悲しい時に涙を流せる人でしたが、男性の場合、涙を流すことが苦手な方もいると思います。
そういう方も、気持ちを手紙に書いて、読み合うことで、心の中の想いをパートナーとシェアできるのかなと思います。

5.生まれたあとの写真を撮っておく

私の場合、陣痛促進剤を使用した自然排出(出産と同じ方法で赤ちゃんを外に出す方法)でしたので、赤ちゃんの姿を見ることができます。

ただ、流産が分かった直後は、「赤ちゃんの姿を写真に撮ることはやめておこう」と考えていました。
しかし、これも名前と同じように、「自分が傷つかないようにするための逃げだ」と思い、積極的に写真に残すことに決めました。

もしも見たくないと思う場合は、その後、写真を見なければ良いので、気持ちの整理がつかなくても、写真を残しておくことをおすすめします。私が撮った写真は以下のとおりです。

・自然排出後、赤ちゃんと出会った時、赤ちゃんと夫婦の3ショット
・棺に入っている赤ちゃんの姿
・棺に入った赤ちゃんと夫婦の3ショット

6.棺にたくさんのお花や手紙、写真を入れてあげる

棺には、できるだけたくさんのお花を入れました。

そして、二人で書いた手紙に加え、赤ちゃんの名前、パパとママの名前、家の住所を書いた紙を添えました。
赤ちゃんがちゃんと天国で自己紹介できるように…という思いをこめて。
夫婦二人の写真も入れました。棺が小さいので、プリントした写真はカットしないと入らないかもしれません。

彩りを与えると、なんだか赤ちゃんが喜んでくれているような気がしました。
とても可愛い花に囲まれて、私たちの気持ちも、少しだけ明るくなりました。

7.火葬の前に、二人でたくさん声をかけてあげる

最後の最後、気の済むまで声をかけてあげました。
気恥ずかしい思いもありましたが、名前をつけてからは自然と赤ちゃんへの声掛けができるようになっていました。これも名前の効果です。

「私達のもとに来てくれてありがとう」
「またいつか必ず会おう」
「お空から見守っていてね」
「大好きだよ」
「ずっと私達はあなたのママだよ、パパだよ」
……

言葉にしたり、心のなかで祈ったり。
何度言っても、気が晴れることはないのかもしれません。
ただ、この瞬間は今しかない。
隣にいられるのは今しかないから、後悔だけはしないようにと考えていました。
もちろん、写真もたくさん撮って。

今しかない赤ちゃんとの時間を大切にしてほしい

たくさんのタスクがあると、ついそちらに意識が向いてしまったり、「誰になんて言われるだろうか…」と色々想像して不安になったり、赤ちゃんの存在とは関係のないところに意識が行ってしまうと思います。

ただ、赤ちゃんと過ごせる時間は、本当に少ししかありません。

自分が傷つかないために、赤ちゃんを忘れることは、あとになってダメージが大きいと思います。
私は、赤ちゃんにしてあげられることの中で、今後、自分が前を向くために重要なのは、「存在を受け入れること」だったと感じています。

もし、同じような出来事で悩んだり、困っていることがあれば、私のできる範囲でお力になりたいと思います。
あなたと、あなたのパートナーに希望の光が来てくれた事実を、どうか忘れないでいてほしい。心から、そう願っています。

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