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急がないし、無くても困らないもの

「次のデートの約束いつだっけな」
そう思ってカレンダーをスクロールしていたら、2100年になった。

・自分には111歳になるまでデートをする相手がいない
・カレンダーは自動計算して新しく作成し表示するので上限はない
・レンタル彼女の相場

という3つの知識を得た。人生は勉強の連続だ。

そんな人生のなかで、「失ってから大事さに気づく」ということがたくさんある。

喫煙席がなくなってから「居場所を失くした」と空を睨んだり。
もう読まないと思ってブックオフに売った本が何ヶ月後かの夜中にどうしても読みたくなって、電子書籍で再購入してしまったり。
紅茶のありかがわからなかったり、いつもよりながめがいい左に少しとまどっては、もう恋なんてしないと言いそうになる。

「不要不急な外出を自粛」していて気づいたけど、僕は不要不急なものが大好きだ。野球観戦に行きたいし、ライブに行きたいし、映画は映画館で観たいし、銭湯に行きたいし、花見だってしたい。友だちと遊ぶ予定が全部キャンセルになってとても落ち込んでいる。

もともと引きこもり気質だし、一週間くらいなら家にいても平気だ。でも「いつでも出られるけど家にいる」と「家にいなきゃいけない」では感じるストレスが全然違うとわかった。

母が「アニマリストになれるかもよ」と言ってきた。たぶんミニマリストのことだ。うちペット飼ってないから。
ミニマリズムは「質素な暮らしじゃなくて大好きなものだけで最適化すること」らしいけどね。

「急がないし無くても困らないけど、あったほうがおもしろいこと」をどれだけたくさん見つけられるかが、人生を豊かにするってことなんじゃないっすかね。

早くみんなで、くだらないことでゲラゲラ笑いながら酒が飲めるといいなぁ。

「ディズニー行きたい」
「ランドとシーどっち?」
「どっちも!ミラコスタ泊まりたい!キャラクタールーム!」
「えーいくらすんのよそれ」
めんどくさいフリして、彼女がお風呂入ってる間に誕生日付近で空室情報を調べるやつ
「温泉行こうよ」
「一緒に入るやつ?混浴??」
「えー部屋にお風呂ついてるとこならいいよ」
行きも帰りも何時間だって運転できる気になるし立ち寄るサービスエリアも調べちゃうやつ
「おっきい花火大会行きたい」
「人混み苦手だし暑いしやだ」
「浴衣姿見たくないの?」
「…見たいっす」
夏が楽しみすぎて俺のサマーがフライングするやつ

こんなデートの予定も立てられるように早くなればいい。
できれば、2100年よりも前に。


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