見出し画像

【おすすめ見所】さらりと巡る東京近郊の国宝建造物

先日は、全国の国宝建造物を訪問して制覇する夢を語らせていただきました。

国宝建造物は全国に227件あります。時間を掛ければ(一生涯かけてとか)全部巡れそうではあるものの、「でも、なかなか時間取れないよな~」というのが実情です。

そういう時は、手っ取り早く首都圏の国宝建造物を巡ってみるのがよいでしょう。まず首都圏を制覇することで次なるステップが見えてくるはずです。

その件数、たったの4件(東京2件、埼玉1件、神奈川1件)。

全部巡れそうな具合が格段にグッと上がりますよね。詳しく書いてみたいと思います。

*本マガジンの説明はこちら

* * *

今回の舞台(東京都、埼玉県、神奈川県)

画像1

画像2

画像3

迎賓館赤坂離宮

東京のど真ん中(23区)にある唯一の国宝建造物。とにかく威風堂々としていて豪奢、圧倒的な存在感。23区内にも誇れる国宝建築があってよかったと思わせられます。(写真:迎賓館赤坂離宮正面)【2017年】

画像6

画像5

元々は皇太子の住まい(東宮)として建てられたものの、紆余曲折を経て現在は国の迎賓館として利用されています。

国宝としての歴史は浅く、指定は2009年。

そもそも国宝建造物は、かつて近世(江戸時代)以前の建築しか指定されていませんでした。文化財の中にも年功序列制があったわけです。

しかし、それを打ち破ったのがこの迎賓館赤坂離宮。明治の建築で初めて国宝指定されました。

※現在、明治の建造物としては、富岡製糸場、旧開智学校も国宝指定されてます。

最近まで、公開が制限されていたものの、3~4年前から通年公開されています。中にも入れます。

もちろん、本来は迎賓館なので、国賓が来日した際には見学できなくなるのでHPで要確認です。

私も中を見学したはずが、写真が全然ない。。撮影禁止だったっけなぁ。。

中はとにかく豪華、豪華で宮殿建築の極みといった感じ。ただし、よーく装飾品を見ていると和のテイストも巧みに取り入れられているところがうれしくなります。(写真:主庭から見る噴水と迎賓館赤坂離宮)【2017年】

画像6

アクセスも最強です。四ツ谷駅から徒歩3分。明日にでも行けてしまいます。

正福寺地蔵堂

東村山といえば、志村けん(まだ悲しみが癒えないですね。。)。

そして、正福寺地蔵堂です。

東京の文化財代表(国宝)の片割れ、迎賓館赤坂離宮が豪華絢爛の盟主であるのに対して、この正福寺地蔵堂はひっそりとおしとやかにたたずんでます。(写真:正福寺地蔵堂)【2011年】

画像7

画像8

室町時代の建立で、禅宗様の代表的な建造物。禅宗様とは、中国の影響を受けた建築様式で、強い反りのある屋根やおシャレな花頭窓(頭頂部が尖塔アーチ状となっている窓)が特徴です。

プリミティブな外観ではあるものの、キラリと光るそれら禅宗様の特徴が、とてつもなくセンス高く感じます。

ちなみに周辺はこざっぱりとした住宅地で、本当にこの辺りに国宝建造物があるの??と思えてしまうレベルです。言葉が悪いのですが、地味な雰囲気です(もちろん文化財としては素晴らしく、雰囲気だけの話です)。

しかし、このようなことって結構あるあるな話です。数百年もの間、ある建物が状態良く残っていることって奇跡的なことです。目立たず、ひっそりとしていたほうが案外都合よく生き延びれるのかもしれません。

歓喜院本殿

「暑い」ことで有名な埼玉の熊谷。

ここに埼玉唯一の国宝建造物があります。18世紀半ばに建立した歓喜院というお寺です。(写真:歓喜院本殿正面)【2017年】

画像9

見所は極彩色の意匠がふんだんにちりばめられた奥殿。正面脇から奥に進む(有料)とそれはあります。(写真:歓喜院奥殿)【2017年】

画像11

※この日めちゃめちゃ大雨でした。。

隙間のないくらいに彫刻がびっしり。1個1個のクオリティも高くて、各面の彫刻群でストーリーが表現されています(詳細は忘れてしまいました)。まるで建築を使った絵巻物ですね。(写真:歓喜院奥殿の彫刻)【2017年】

画像11

凝りに凝った見た目は、日光の陽明門に似た雰囲気です。事実、「埼玉の小日光」と呼ばれているようです。

このお寺のターニングポイントは、2003年から2011年まで行われた修復工事。それまでは、これらの彫刻は風化が進んで、鮮やかさなど全くない状態でした。以下のURLでは当時の様子がよく分かります。

その状態から、13億5千万円、7年の歳月をかけて往時の美しさを取り戻したのです。1大プロジェクトだったようです。

その圧倒的な美しさは話題を呼び、あれよあれよという間に、2012年、国宝指定にまで至ったのです。凄い復活劇です。

円覚寺舎利殿

さて、ラスボスは神奈川唯一の国宝建造物である円覚寺舎利殿です。

場所は鎌倉です。さすがは由緒正しき地ですね。(写真:円覚寺舎利殿)【2012年】

画像12

何だか人がたくさんいました。それもそのはず、円覚寺舎利殿は、基本非公開で、お正月と11月の数日間しか公開されません。よって、公開時はたくさんの人が訪れます。

その意味で、拝観する難易度は最も高く、ラスボスと呼ばせていただきました。

この円覚寺舎利殿、既に登場した正福寺地蔵堂と瓜二つ(規模・形式が近似)なんだそうです。建立も同時期くらいらしく、この当時、関東では禅宗様のお寺が流行っていたんでしょうね。

なお、円覚寺のある北鎌倉駅周辺は、とても雰囲気の良い高級住宅街。他にも名刹がいくつも(建長寺やあじさいで有名な明月院等)あります。(写真:渋い駅舎の北鎌倉駅)

画像13

あまり詳しくないのですが、おしゃれなカフェやちょっとしたハイキングコースもあるようですから、国宝を見に行くという目的だけで訪れるにはもったいないかもしれませんね。

是非1日ゆっくりと時間を取って散策してみるといいのではないでしょうか。

* * *

今日のnoteアップも日付が変わるギリギリです!

それでは!

カバー写真:歓喜院奥殿の彫刻(埼玉)【2017年】


この記事が参加している募集

一度は行きたいあの場所

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。 他のnoteも是非読んでいただければ嬉しいです。