エネルギーまちづくりのススメ
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エネルギーまちづくりのススメ

温暖化対策法が6月に改正されました。これにより、いろんなことが大きく変わっているので、ポイントを押さえながら解説したいと思います。

まず、二酸化炭素排出ゼロが法律によって明記されたことです。っていうのはどういうことかというと、政権がたとえ途中で変わっても、この方針は明確なので安心して、脱炭素社会に向かって投資などをしても大丈夫ということです。全く逆の法律ができることもあり得ますが、今の
国際的な枠組みから外れない限り、この路線は守られるわけです。
今ままでは政令指定都市などしか作らなくてよかった二酸化炭素の削減のロードマップを市町村などの自治体がつくらなくてはいけなくなったのです。そして、これはそう簡単ではありません。長野県は県としてNDC60%を宣言しましたが、これは相当の準備をして、かなり厳しい目標を設定した結果です。これを実現するには、産業、建築、交通の各分野で相当の変革が必要で、具体的なアクションが求められます。
これが地方にとってどういう意味を持つか。
こんなものやらされて、、、などとネガティブなことを言ってはそれこそ、取り残されます。
人口減少化の日本では、全体で100万人単位(仙台とか福岡とか)のレベルで人口減少が進行中。都市部にいると気がつきませんが、地方では人口減少が深刻な問題。なぜ人口減少するかって?単純な問題です。仕事が地方にないのです。仕事がない→人口流出→人手不足の悪循環です。また、古くからのエリアはしがらみが強く、若い人にとって魅力のない暮らしです。本当はそういうところに産業を作り、雇用を産み出し、人を集め、、、としなくてはいけません。筆者の知っている限りではそういう地域は多くありませんが、岩手県紫波町などはそういうエリアです。少なくとも中心市街地では、オガールエリアができ、人が集まり、人口の回復を迎えています。図書館やバレーボール専用の体育館の他に、肉屋と魚屋も入った大きなマルシェ、美味しい居酒屋、ホテル、小児科、保育園、町役場が集まったエリアでは、新しいパン屋さんやアウトドアのショップなども集まってきていて、楽しそうな雰囲気。人々が集まってきています。実際、人口が増え、土地の値段が上がり始めました。
 そう仕事がない多くの地方で、実は確実にある産業があります。工務店などの建設業です。また、多くの地方では山林があります。山林は二酸化炭素を固定化するカーボンニュートラルにとって非常に必要なもので、そこから作られる製材、余った材料を作ったバイオマス燃料は二酸化炭素を出さないものです。今までは、港の近くの大規模の火力発電所で作っていた電気は、エネルギーの分散化の流れで消費される近くで作られれば、搬送の必要もありません。そうです。地方創生、地方のエネルギー政策が、産業振興の政策になり得るのです。そういうことを早くやったところには、人口集積が起こります。そうなるとアウトドアなどの産業が複合的に集積します。
 改正温対法では、国・地方脱炭素会議を作って、100のモデル地域を選定し、これを積極的に推進することを決めています。これは日本のどこでもこれらはできることになっています。さまざまなエリアで共通のアイテムは住宅です。住宅の炭素を減らしていくことは、住宅の快適性を上げる点でとても大事です。きちんと断熱した住宅はこれから最も求められているライフスタイルにも関わるものだと思います。
これは新築に限ったことではありません。今あるものをどう改造、改良していくか、が今求められています。世代が変わるときに、古屋を断熱改修をすることで、バリューアップし、買取再販するビジネスも登場してきました。住みながらの場合は、まず変えなくてはいけないのが窓です。窓から多くの熱が逃げています。それを抑えるだけでも、快適性は相当向上します。戸建てに限らず、共同住宅の断熱改修も今求められていて、それをどうするかの提案が求められています。

いずれにしても、温暖化対策をそれだけのために、できないしやるべきではないと思います。
それをきっかけにして、地方から中央に移転してしまった、生業を取り戻し、健全な地方を作ることで持続可能な日本の社会をつくるべきだと思います。

最後に宣伝です。
都市経営スクールでは、カーボンニュートラルシティ専門課程を開講します。カーボンニュートラルシティはどういうもので、それがどう地域の産業の振興に役立つか、そういうことを15回のレクチャーとゼミナールで伝えていきたいと思います。

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1962年神奈川県生まれ。みかんぐみ共同代表。東北芸術工科大学教授。エネルギーまちづくり社代表取締役。都市経営スクールエコタウン専門課程。エネルギーと建築のことを中心に書いていきます。著書に「図解エコハウス」「新しい家づくりの教科書」「原発と建築家」