竹内昌義

1962年神奈川県生まれ。みかんぐみ共同代表。東北芸術工科大学教授。エネルギーまちづく…

竹内昌義

1962年神奈川県生まれ。みかんぐみ共同代表。東北芸術工科大学教授。エネルギーまちづくり社代表取締役。都市経営スクールエコタウン専門課程。エネルギーと建築のことを中心に書いていきます。著書に「図解エコハウス」「新しい家づくりの教科書」「原発と建築家」

メンバーシップに加入する

断熱やエネルギーの情報を発信するメンバーシップです。有料コンテンツも読み放題にするので、皆さん、ぜひご参加ください。

  • スタンダードプラン

    ¥1,000 / 月

最近の記事

豊かな未来の風景 NOLL PROJECT

私たちはみんなそれぞれが健康で豊かになりたいと思っています。でも、なかなかそれが叶えられない。日本は国連の調べる幸福度ランキングではなんと61位。GDPはドイツに抜かれたとはいえ、世界4位。この経済の状況と幸福度のギャップはどうして生まれているのでしょうか。 多くの若者は日本の社会、特に政治に希望を見出せず、それこそ海外流出しかねません。人口減少や円安などの閉塞感もここに極まれりという感じです。 さて、私は1990年代、フランスで1年暮らしたことがあります。その頃のヨーロッ

    • 脱酸素社会の作り方.自治体が何をどうすべきか。

      自治体がどうやって脱炭素社会に向かって、政策を作っていくかについてお話ししたいと思います。どんな自治体にも必ず、住んでいる人がいて、その住宅が脱炭素することが求められています。日本のエネルギーの3分の1は住宅や業務(住宅以外の建物)で使われていることを考えるとここを集中的にやることがとてもの重要です。 そこで、住宅が断熱化をして省エネルギーを徹底させ、その上で太陽光発電などの再生可能エネルギーを導入することが望まれています。今の住宅を断熱改修しなければなりませんが、現在の

      有料
      500〜
      割引あり
      • 地方でエコタウンをつくること

        タイトル写真は岩手県紫波町のオガールタウン。 今日の記事は、能登半島地震の被災地でも使えるし、一般的な住宅地でも言える。どんな建物をどう建てるのが良いのか、まずその点を考えながら書いてみたい。やってはいけないことも併せて書くほうがわかりやすいので、そうしていく。 【歩車分離が基本である】 地方に行けば行くほど、家の前まで車を持ってきたがるがやめるべきである。駐車場は外周部かどこかにまとめて取るようにする。これからの時代、自動車の時代は終わりかけている。 雪が降る場合には

        有料
        1,000
        • 被災地支援で大切なこと

          写真は復興した気仙沼大沢地区の住宅地 元旦の発災からはや10日、現場から入ってくる断片的な様子からも現場が大変混乱しているように見える。情報のやり取りがうまくできていないようだ。 政府は、旅館などのみなし仮設の開設に踏み切り、ヘリコプターなどでの搬送も開始したが、まだ、それは本格化していない。国や県が考えることが、地元にうまく伝わっていない。2011年東日本大震災、津波による被害に対して、気仙沼市大沢地区での復興に10年近く寄り添った経験から、少し論を展開してみたいと思う

          有料
          1,000

        豊かな未来の風景 NOLL PROJECT

        メンバー特典記事

          太陽光発電の基礎知識

          「スタンダードプラン」に参加すると最後まで読めます

          表紙の画像はダイキンおひさまエコキュートのホームページです。 あまり広告的ではなく、きちんと基本を書いたほうがいいと思いました。まずは見てください。わからないことがあったら、質問してください。 いくつかは覚えなくてはいけません。 太陽光発電の単位はkWです。電力量はkWhです。これがいくらか、どのくらい電気を使うかが大事です。 1年間で1kWあたり1200kWhから1300kWh ぐらいの発電をします。 日本海側は減ると言われますが、減ったとしても1100kWh ぐら

          有料
          500

          太陽光発電の基礎知識

          ジャパンホーム&ビルディングショーのレクチャーで話したこと(2)これから電気代が上がると太陽光発電はすぐに元が取れるようになります。

          「スタンダードプラン」に参加すると最後まで読めます

          世界の状況が一変している。ロシアがウクライナに侵攻し、世界が分断された結果として、エネルギー全般の高騰が続いている。ヨーロッパではガソリンや電気の値段がものすごい勢いで上がっている。日本はそれほどの危機感が感じられない。なぜか。日本政府が燃料費などの補助をしているからだ。これでなんとか、少しの値上げて抑えているわけだが、でもこの補助はあまり有効な補助とは思えない。

          有料
          300

          ジャパンホーム&ビルディングショーのレクチャーで話したこと(2)これから電気代が上がると太陽光発電はすぐに元が取れるようになります。

          ジャパンホーム&ビルディングショーのレクチャーで話したこと(1)

          「スタンダードプラン」に参加すると最後まで読めます

          蒸気機関車C-62は特急列車「つばめ」は1950年代前半まで東海道線を走っていた。それがわずか何年かで1964年の新幹線に取って代わる。そういう時代の変遷に近いことが私たちの暮らしで起きている。携帯電話は1990年ごろからあっという間に、国民全員持つようになる。この間、わずかに10年ほどである。レコードもカセットレコーダもビデオも新しい技術はあっという間に入ってくる。

          有料
          500

          ジャパンホーム&ビルディングショーのレクチャーで話したこと(1)

          Perfect ZEB(Zero Energy Building)の作り方

          「スタンダードプラン」に参加すると最後まで読めます

          今週、東北住建の本社ビルでレクチャーがあったので本社を見学させてもらった。木造3階建800㎡の建物である。県産材のカラ松4寸角で作られた、ダブルフレームの建物である。南側に大きな開口+外付けブラインドのシンプルなもの。おそらくZEBになるものと思われる。すでに1年以上経ってZEBが確認された佐久市の木下建工の本社ビルも同じ傾向の建物であるように思われる。

          有料
          500

          Perfect ZEB(Zero Energy Building)の作り方

          ZEH、ZEB という用語の定義と解説

          「スタンダードプラン」に参加すると最後まで読めます

          ZEH、ZEBはそれぞれゼッチ、ゼブと読む。 もともとは経産省がZEHロードマップの中で使った用語で、以下の意味をもつ。 ZEHは 建物の躯体の省エネルギー + 高効率の家電の使用 = 再生可能エネルギーでの供給。 建物を省エネ、使うエネルギーを減らし、太陽光などの再生可能エネルギーで賄うという定義であった。EU司令に書かれている定義では、オンサイトあるいはオンサイトのすぐ近くでの再生可能エネルギーという文言が付加される。 現在、再生可能エネルギーで作った電気を選択して

          有料
          500

          ZEH、ZEB という用語の定義と解説

          モビリティと住宅の政策

          「スタンダードプラン」に参加すると最後まで読めます

          この脱炭素地域は、現在、環境省が考えている脱炭素先行地域のことを直接指すものではない。もう少し包括的な概念である。できたら、自治体あるいはあるエリアを考えていく時のガイドになればと思い、この記事を書き始めた。より実践的には、このテキストをもとにしたオンライン講座を考えているので、そちらも参考にされたい。 2050年に「脱炭素」するという国の方針が定められた。日本だけではなくG7の国にとっての共通の目標である。 そして、中間地点の2030年に2013年比46%という目標も立

          有料
          500

          モビリティと住宅の政策

        記事

          学校断熱改修の考え方

          現在、住宅は高断熱高気密化が進み、2025年に義務化される等級4より2グレード高い家にし、太陽光発電を5KW程度つむと、家は年間を通すとゼロエネルギーにすることができることがわかっている。先進的な工務店の試行錯誤の結果、国交省の定める基準より断熱性能をあげるべきだという主張は、受け入れられやすい。 一方、非住宅のオフィスや学校などは、国交省のWEBPROというソフトを使っており、これがすこぶるドメスティックなソフトで、建物のゼロエネルギーを目指す現代においてはすこぶる使い勝

          有料
          500

          学校断熱改修の考え方

          脱炭素社会の建築(1)

          最近行っているレクチャーをノートに取ることにしました。理由は簡単で、できるだけ多くの人にこのことを届けたいと思ったからです。 さて、早速ですが、私はレクチャーが始まる前に必ずこの質問をします。 「脱酸素社会は来ると思いますかそれはいつ頃ですか。」 最近はさすがに減りましたが、「脱炭素社会はまるで、江戸時代のような社会であるかのように言われたりしました。確かに江戸時代は化石燃料もほぼ使っていませんし、非常に持続可能性の高い循環型社会であると聞いています。でもそうではありま

          有料
          500

          脱炭素社会の建築(1)

          1歩も2歩も進んでいるコペンハーゲン

          大きくコペンハーゲンが目指しているのは、次の4点だそうた。 ○ゼロカーボン達成 2030年 ○ソフトモビリティ 世界一 ○水と緑が豊かなまち ○健康、清潔なまち これに向かって、どんどん政策が進んでいる。 コペンヒルについては前の投稿に書いたので、そちらを参考にしてください。 ○水と緑のまち コペンハーゲン コペンハーゲンは港を中心に発達しているまちだ。秋になっても、普通に泳げるところもある。貸しボートもある。旧海軍が使っていた倉庫はリノベーションされて、オフィスに使

          有料
          300〜
          割引あり

          1歩も2歩も進んでいるコペンハーゲン

          コペンハーゲンの山に登りに行ってきた。

          今回のツアーの目的は、実際に再生可能エネルギー70%を超えてきた町がどんなに変わったか見に行ったのである。単なる建築ツアーではなく、大きな都市計画などを見たかったので、ガイドはオールボー大学で交通計画などの都市計画を学んだ池田麻美さんにお願いした。 すでに脱炭素に向けて進んでいる社会、そしてなぜそれが可能なのか。人々のメンタリーはどうなっているのか。それが見たかった。実は2009年ごろにもゼミの学生と行ったことがあって、その頃も円が安くて困ったが、今回はもっと安くなっている

          有料
          300

          コペンハーゲンの山に登りに行ってきた。

          フルゼブ時代の役所建築

          (タイトルの写真の設計はHERMANN KAUFMANN) ZEBが求められる機会が増えているが、予算が合わず、断念する場合が多い。 そもそも、消費エネルギー量を計算するWEB PROがポンコツである。本来は、エネルギーを適切に減らして、その残りを再生可能エネルギーで賄うのが、ZEBを作るために必要なことだが、日本のZEBは基準エネルギー量の半分まで減らせば良いとなっているため、設備での対応でなんとかなってしまうレベルになっている。 最近、地方に行くと4面がガラスカー

          有料
          200〜
          割引あり

          フルゼブ時代の役所建築

          外苑再開発問題

          世界は脱炭素社会へ向かって持続可能な開発をしている。一方、日本ではただの建物の容積をとる近代的なビルを建てるだけの再開発が進んでいる。 これはとても大きな問題だと思う。 ニューヨークやパリがどうなっているか見てみよう。 ニューヨークではニューヨーク市は気候動員法を制定し、2030年までに温室効果ガス排出量を30%削減することを公約している。そして、環境的なビルを建てるべく、さまざまな工夫や新しいピロジェクトができている。また、都市のあちこちで、ウォーカブル化が進み、自動車

          外苑再開発問題

          自治体のゼロカーボン戦略について(1)

          まず、ゼロカーボンを実現させるためには、各分野での検討が必要です。 その分野は 運輸 自動車などモビリティのことです。 民生 住宅のことです。 業務 住宅以外の建築のことです。 産業 これは工業とかそう言うものです。 それぞれの自治体について産業の構成などを考えて対策が必要です。 〈運輸〉 運輸、モビリティは自動車から出るCO2をいかに減らすが重要です。 メルセデスベンツが提唱した、CASEが参考になりますので、解説します。 C connected  接続性 A A

          有料
          900

          自治体のゼロカーボン戦略について(1)

          個人の住宅はどうなっていくのか。

          高断熱化をすると家の価格も上がっていく。 将来的には職人もいなくなる。家が建てられなくなるかもしれない。 そこで考えるのが、大型パネル工法のハーフ住宅に向かうとおもう。 高断熱高気密と相性の良い家の作り方 1 まず小さく建てる。   一人当たりの必要面積は25~30㎡。 2 外皮は外断熱 3 間仕切りをできるだけ建てない。   主寝室、トイレは音を遮断するが、それ以外はオープンでもよい。 4 収納は流動的に確保する。裏動線は作る。 5 南の窓はフィックスで大きく。

          個人の住宅はどうなっていくのか。

          日本の未来

          日本の未来は決して明るくない。と、みんなが言う。私の子供も可能であれば、外国で暮らしたいと言う。それほど、明るくない。先日、NHKの「混迷の世紀」でも、エネルギー問題、食糧の問題が指摘されていた。ましてや、人口減少という大きな課題がある。一方で、国民一人当たりのGDPの順位は27位であり、GDP単独では世界第3位である。やりようによっては、十分に豊かな国である。だが、TVのクイズ番組に出ていた回答者は「100位くらい?」と言っていた。そこまではひどくないと思うが、世界第3位の

          日本の未来

          学校断熱ワークショップのススメ(2)

          【道具編】 断熱改修ワークショップを進めていく上で非常に大事なのは参加者の持ち物です。安全に配慮しなければいけないので危険なものは使えません。しかし一般的には危険かもしれませんがやはりDIYをする上で避けて通れない道具があります。

          有料
          500

          学校断熱ワークショップのススメ(2)

          学校の断熱改修のススメ

          なんで始めたか 書いてみました。 私は普段高性能な住宅の設計を仕事としています。そこでの断熱性能は例えば断熱材が屋根に30センチ、壁に20センチだったりとかなり厚いものです。そうすると家は快適になり、エネルギーも減ることから、お客さんに喜ばれています。ただ、これは特定のお客さんに対してする仕事です。一方で、一般の人もできるだけ家を断熱したりして、住み心地を良くすることが求められていると思います。ある時、大学の授業でエコハウスの説明をしていたところ、学生が非常に眠たそうだった

          学校の断熱改修のススメ

          脱炭素社会は本当に来るのか。

          脱炭素社会は本当に来ます。それも確実に。 いやいややるのではなくて、加速させてやることで、いろんな可能性が広がります。 温暖化を止めること、それが21世紀の人類のものすごく大事なテーマになります。 温暖化対策というと我慢をともなう印象がありますが、そんなことはありません。技術によって、省エネルギーをし、再生可能エネルギーを作ることができれば、それで良いのです。 そんなことは難しいと思われがちですが、少なくとも私の関わっている家、建築界隈では今ある技術を使ってこれを作ること

          脱炭素社会は本当に来るのか。