「書店」という言葉に騙されるな!
東京に住む前、私は大阪に1年半ほど住んでいた。
今朝、エスカレーターに乗っていると、ふと大阪で間違えて入ったある書店のことを思い出した。
大阪には大学卒業してすぐに移り住んだのだが、それまでの私は山口県でひっそりと21年間を過ごしたそれはもうれっきとしたガチガチの田舎者だった。
時期は確か、ハロウィン前。
友人と「コスプレしてUSJいこ〜☆」なんて、リア充っぽい話題で盛り上がっており、なんの衣装を着ようか至極どうでもいい悩みを胸に毎日過ごしていた。
そんな中、出会ったのが「信長書店」だった。
目にとまったきっかけはコスプレ衣装がデカデカとディスプレイされていたからだ。
「コスプレ専門店かな?」
山口から出たばかりでピュアッピュアだった私は、そんなアホみたいな勘違いをしてしまったのだ。まさか、そこに大量のLOVEグッズが置いてあるだなんて一ミリも疑っていない。
お店の名前に「書店」と書いてあるし、そもそも信長の名前をそこに使うなんて思わないじゃないか。
店内のエスカレーターに乗った瞬間、やけにピンク色と肌色が見える異様な空間の中にいることに気づいた。
「あ、これちゃうやん」
覚えたての関西弁で思わず自分にツッコミを入れる。 こういうものに対して嫌悪感があるわけではないが、頭皮の穴から冷や汗がダラダラと流れ出したのを今でも覚えている。エスカレーターの上から見えるイソイソと動く人影は全て男性で、自分はあまりにも場違いだった。
上りのエスカレーターしかない狭い店内から、どうやって抜け出ればいいのかアタフタしながら上り続けていると、柱にメモ用紙が貼られていた。
『間違えて入ったお客様へ
3Fまで上がっていただき、奥へ進むと下に降りる階段がございます』
神かよ。
店員さんの気遣いに神に祈るポーズを頭の中で想像してから、急いでエスカレーターを登っていく。
ゴールである3FはAVコーナーで、DVDをいくつか持って吟味している男性とバチっと目があった。
成瀬心美かわいいよね!ウンウン! と男性に心の中で投げかけながら、目から一切の感情をスッと消して奥の階段を目指す。
やっと外に出られた瞬間、今後「書店」という文字には絶対に踊らされないぞ、と先ほどまではなかった強い決意が胸に宿っていた。
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と、大阪での失敗談をここまで書いてみたがこれが果たして文章にするほどのことなのか分からない。読み終わった人も、「一体何が言いたかったんだ…」と無駄な3分を過ごしたことかと思う。
正直なことを言うと、今超絶仕事が忙しい。
何が言いたいかというと、バトル漫画でよくある、時の能力者に時間を止められた間に技をかけられ、能力が解かれると一気に打撃がくるあのシーン。 まさに今、そんな感じなのだ。
10日もの間、仕事が止まったことで猛烈な作業量が襲いかかっている。
もはやこの文章はただの現実逃避なのだ。テスト前ほど部屋の掃除をしたくなる学生のように、現実から逃れるためにこの文章を殴り書きしている。
ここまで付き合ってくれた皆様、本当にありがとうございました。
GWを利用して数年ぶりに帰省したので、その時の写真で終わりの挨拶とさせていただきます。
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