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学振PD補欠採用の過去の実績

要点から述べますと、「学振PDの補欠から本採用に至った過去の実績」を、日本学術振興会に問い合わせた結果です。

経緯

私は2020年度採用の日本学術振興会 特別研究員(PD)に応募し、昨年12月に面接を受けて、現在「補欠」になっています。2月末にならないと採用か不採用かの最終的な決定が出ない宙ぶらりんな状況です。

3月には大学を出るので4月からの所属を早く決めたいのですが、2月末まで学振の結果がわからないので、他の職を受けるものか迷っているところです。学振PDとその他のアカデミックポストと、どちらがいいかは条件次第で様々でしょうが、最近打診されたポストよりは学振PDの方が個人的にはいいので、それを受けるべきか悩んでいました。

そちらのポストは早く意向を決めて欲しいと言われたので、学振PDの補欠から本採用にはどれくらいの確率で進むのか、どうしても知りたくなりインターネットを探ってみましたが、よい情報は得られませんでした(日本学術振興会のウェブサイトでは申請者数に対する(最終的な)採用者数しかわかりません)。

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そこで日本学術振興会の特別研究員採用・募集担当にメールで直接問い合わせてみました。おおよそ以下のような文面です。

補欠から採用に至る事例が例年何人程度いるのか、
参考までに教えていただけないでしょうか。
こちらのページ(https://www.jsps.go.jp/j-pd/pd_saiyo.html)では、
採用者数はわかるのですが、補欠からの採用数がわかりません。
結果が明らかになるのが2月末とのことで、
来年度からの進路を考える上で、非常に情報が少ない状況です。
年によって事情は違うかと思いますが、
せめて毎年数人なのか、3年に1人程度なのかで、
こちらの進路を考える上での、全く心持ちが異なります。
何卒、ご回答いただけますようよろしくお願い致します。

メール問い合わせ結果

平素よりお世話になっております。
日本学術振興会研究者養成課 特別研究員募集・採用担当です。
特別研究員の補欠採用について、本会ウェブサイトに公開されている情報以上のことは
お教えすることができません。
ご了承ください。
よろしくお願いいたします。

想定されたことですが、非常にあっさりしたお答えでした。せっかくなので、

早速ご返信いただきありがとうございます。
回答の趣旨は理解しました。
一方で、過去の補欠からの採用数は、
申請者の進路選択に於いて非常に重要な情報であることはご理解いただきたく存じます。
「本会ウェブサイトに公開されている情報以上のことはお教えすることができません」とのことですので、
今後、ウェブサイトに公開することを検討していただきますよう、要望いたします。

と返信しました。将来の「補欠」採用者の役に立つことを願って。

情報公開請求

しかし同時に、どうしても「過去の補欠からの採用数」が知りたく、また採用の過程をある程度明らかにすることには公益性も感じましたので、別のルートで聞いてみることにしました。すなわち、情報公開請求です。

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日本学術振興会は独立行政法人であり、「独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律」に基づき、誰でも日本学術振興会が保有する文書、図画や電子データの開示請求ができます。

第三条 何人も、この法律の定めるところにより、独立行政法人等に対し、当該独立行政法人等の保有する法人文書の開示を請求することができる。

「過去の補欠からの採用数」は、制度運用や制度改善の検討等に不可欠な情報であり、日本学術振興会内部のなんらかの文書には記載されていると想定されますので、日本学術振興会の「情報公開室」に電話をかけ、開示請求の旨を伝え、該当する文書を探してもらいました(実際には情報公開室から、最初にメールで問い合わせた研究者養成課特別研究員採用・募集担当に、文書の確認が行われたはずです)。請求書の提出や手数料支払等、所定の手続きを経るのに時間はかかってしまうなぁと思いつつ。

結果的には…

開示請求から2日後、研究者養成課から電話があり、内部検討の結果、特別研究員の補欠者繰上人数についてウェブサイトに掲載することになった、とお知らせいただきました。

そして、口頭で過去の特別研究員(PD)の補欠者繰上人数を教えていただきました。全審査領域の合計です。

平成31年度 14人/90人
平成30年度 0人/94人
平成29年度 80人/116人

採用率は15.6%、0.0%、69.0%と変動が大きいことがわかります。その年の予算、新規採用予定者の辞退に加え、既に前年度等に採用されている特別研究員の途中辞退の数も関係するとのことです。

ということで、結果的には、今年の採用の期待値を過去の実績から求めるのは困難であることがわかりました。悩みは解決しませんが、「毎年0人」や「毎年全員採用」とかということではないとわかっただけでも、情報ゼロよりかはよいかなと思います。

いずれ日本学術振興会のウェブサイトに載る情報ですが、同じような境遇の方(=補欠で来年度の所属先探しに右往左往している方)の役に立てばと思い、とりあえず公開しておきます。

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