【映画感想】私の中のあなた

お久しぶりです。                 素晴らしい映画を見てしまったので、すぐにその感想を纏めたく、随分久しぶりにnoteの編集画面を開きました。書くのをサボっていたわけでもなんでもなく、シンプルに映画を見ていませんでした。私は感性がとても低いし、映画は黙って見ていられない事が殆どで、凡ゆるドラマ、アニメ、映画を見続けることは拷問に値しました。                       今回感想を述べる映画は”私の中のあなた”(2009) アメリカ映画です。残念ながら、テレビ放送で見たので、吹き替えでした。それもとても素晴らしかったですが。原文や役者本人の声を聞きたいので出来れば字幕で見たいものです。                 

※未視聴の方は是非、予備知識無くご覧になることをお勧め致します。以下、延々とネタバレを含む感想が続きます。


見始めた時、アナはとても賢い子なんだな、と思いました。一体この映画は、何を描こうとしているのか、序盤では全くわかりません。分からないし、ギスギスした家族なんてストレスにしかならないのに、世界に引き込まれます。
この映画には、悪人が出てきません。リアリティがある世界の中で、それだけがフィクションに感じるかもしれませんが、でも、こういう世界もあると感じさせてくれます。
私にとって、と言っても、映画の組み立てもしても転換点となっているであろう、アナがケイトに電話をかけるシーン。
ここからはもうずっと、泣きながら見ていました。
自分が家族をめちゃくちゃにしている。兄の大変な時も自分に巻き込み、父と母の時間を奪い、妹を守れない。
ケイトはそう涙しましたが、きちんと妹を守ろうとしていること、兄は2人の妹をそれぞれ守ろうとしていること、父親も子供たち皆を尊重し、日々磨耗していく妻も見捨てなかった。1番視野狭窄になっていた母親の描き方もとても良かったです。
確かに、彼女は酷い面もあります。ドナーの為に作ったアナには一線を引いているように思えましたし、ラストのシーンでも微妙な間柄です。それでも、視聴者の多くは、彼女のこともまた分かってしまいます。皆辛くて、皆それぞれ1番良い方向に向かおうと懸命でした。


電話を皮切りに、アナがケイトをどれほど大好きだったのかの描写も加わります。時間変更の描写ですが、最初は少し分かりづらかったものの、導入一つ一つにキーがあり、混乱しづらいです。その描き方もまた、引き込まれます。いつエンディングが流れても不思議ではないほど、常に切れ目があり、前半部分ですら十分な程に考えさせること、面白さ、映画の中の克明な世界が描かれています。

また、ケイトとそのボーイフレンドのくだりも良かったです。私は恋愛ごとや性交渉を生命の中でそれを好む好まない関係なく重要なものだと考えています。ケイトがそれを経過していることは、私の中では救いになりましたし、また、人物の深みも増しました。だからこそ、突然の死には暫く呆然としていました。
そんなにも、突然亡くなるものなのだと。
蛇足ですが、ボーイフレンドの彼は本当にカッコいい人で、出てくる度に驚いていました。眉毛がない分下睫毛がさらに強調されて、本当に美しい方でしたね。

これは個人で大きく差があるでしょうが、私が考えさせられる速度と映画の速度が心地よかったのも良い点でした。
親と子の仲は難しい点もありますが、子供たちの絆はとても固いものでした。そんな点も、とても美しかったです。2人の妹を大事にする兄、とても良かったです。
裁判を見て、耐えきれず表に出て、完成した絵を破り捨て、1人小さな体で姉との約束を守ろうとする妹を守りました。

裁判官もとても良い方で、弁護士の方も本当に良い方でした。この映画では病気の人物がとても多いです。
それが絡み合って、あの結末に繋がっています。


小説と映画は全くの別物です。
映画だけしか拝見していませんが、本当に素晴らしい作品でした。日々の生活に、輝きや思慮を与えてくれます。そして、嫌な人間が出てこないけれどぶつかり合う、そんな映画でした。無理やりな点が一つもない、それぞれにそれぞれの人生が見えました。
この映画に出会えて、本当に良かったです。

それにしても、本当に場面展開がオシャレな映画でしたね。色彩も展開も全体的に暗いのに、所々人物の強い決意が見えて暗くなりすぎない映画でした。

あと犬が可愛い。
思ったことをすぐに形で残したいが為に構成を考えずまず残してしまいました。
もしかしたら修正するかもしれませんが、もしここまで読んでくださった方がいらっしゃいましたら、有難うございました。
今までで1番好きな映画のオーシャンズ8に横並びで加わりました。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?