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レビュー/リマスターされた「METALLICA」はやっぱり凄かった

METALLICA (Remastered) / METALLICA
2021年9月発売

METALLICAの5thアルバム「METALLICA」,通称“ブラック・アルバム”は1991年にリリースされて以来,全世界で3500万枚以上を売り上げているモンスター・アルバムだ。ヘヴィ・メタルというジャンルを超え,音楽業界において間違いなく一つの巨大な潮流を生み出した歴史的名盤。そんなあまりにも有名なアルバムが,リリースから30年という節目の年を迎えた2021年,ついにリマスターされて蘇った。

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リマスター盤のサウンドは明らかにオリジナルとは異なる。まず,音像がよりクリアかつシャープになった。特に歪みまくるギターにその効果が顕著だと思う。さらにサウンドに奥行きが増したというか,空間的な広がりが感じられるようになって,ヘッドホンで聴いていると音が眼前に迫ってくるような迫力がより強く感じられるようになった。もともと素晴らしかったサウンドが,リマスターされたことによってより先鋭的で整合感のあるサウンドになった印象を受ける。

それにしても驚くべきはオリジナル盤のクオリティの高さである。発売から30年経ってもまったく古臭さを感じさせない魅力的な楽曲群はもちろんだが,もともとのサウンドも実に高品質だ。リリース当時は“モダン・ヘヴィネス”などと言われることもあったその重くて現代的なサウンドは,2021年の今でも十分“モダン”で“ヘヴィ”だと言えるのではないか。

このあたりはプロデューサーのボブ・ロックの手腕によるところが大きいと思う。ボブ・ロックは1989年に発売されたMötley Crüeの5thアルバム「Dr.Feelgood」もプロデュースしているが,これもまたサウンドが非常に素晴らしいアルバムだった。

リマスター盤が発売されたことによって,“ブラック・アルバム”には時代を超越した普遍的な魅力が詰まっていることに改めて気づかされた。そのインパクトは良くも悪くもバンド自身にも影響を及ぼし,次作以降彼らは迷走してしまうわけなのだが……。

【収録曲】
01 Enter Sandman
02 Sad But True
03 Holier Than Thou
04 The Unforgiven
05 Wherever I May Roam
06 Don't Tread On Me
07 Through The Never
08 Nothing Else Matters
09 Of Wolf And Man
10 The God That Failed
11 My Friend Misery
12 The Struggle Within

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