最適化社会とFIRE

FIRE、「Financial Independence, Retire Early(経済的自立と早期リタイア)」を目指す人々が増えている。
一方、「最適化社会」の仕上げ段階を迎える中、SDGs等の社会課題を解決する活動に関わる人々も増えている。

FIREは必要最低限の収入を金融投資の運用益でまかなうことが想定されている。
活動自体が実質的価値を生み出すものではないが、資本主義社会と自由な生活の折り合いをつける手段とも言える。
FIREは金が金を生む一種の「虚業」によって「自分らしさ」を実現する手法として、資本主義社会の最終盤らしい生き方のように思う。
手法は資本主義であるが、仕事に縛られることなく、自由に生きる(例えば、どこに住んでも良いどこで働いても良い = Living Anyware,Working Anyware など)ことを実現している。
FIREはテクノロジーの進化による「情報の非対称性」を低下させる役割を担ったインターネットとSNSがその具現化に一役買っている。
テクノロジー(サイエンスの基盤の上に立つ)が社会システムに影響を与えるSINIC理論の考え方と親和している。

現在は資本主義のフレームワークで社会が構成されているため、「最適化社会」のための活動でも「お金」がついてまわる。
FIREは資本主義のフレームワークの中で、「生きづらさ」を解消するための手段なのかもしれない。
「最適化社会」は資本主義のフレームワークの中で「お金」ではない価値を向上しようという試みである。
そういう意味では資本主義社会の最終段階かもしれない「最適化社会」から資本主義社会から脱却した状態かもしれない「自律社会」への転換期に出現した社会現象なのだろうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?