読書記:ボン教 弱者を生き抜くチベットの知恵(熊谷 誠慈 編著、創元社)(初版2022.1.20)

チベットやヒマラヤ地域で、1200年の間、弱者として生き抜いてきた「ボン教」という土着宗教についての本。
一気に読んでしまいました。ボン教のなんとも不可思議な仕組みや位置づけに興味をもったのか、「レジリエンスとフレキシビリティ」(普通なら仏教に取り込まれてしまうのに逆にその手法を組み込んでしまい生き残っている)という観点に興味をもったのか自分でもよくわからない。
一見読み難いタイプの本に思えたのですが、楽しんで読んでしまったのが不思議。
ひとつ興味をひかれたのが、ボン教は中国の領土内に存在する宗教でありながら、政治的な迫害は受けていないように感じたが、それはマイナー過ぎるからなのか、土着宗教としての位置づけからなのか。
中国の国内全体均質化政策のなかでボン教がそのまま存在しているのは不思議に思った。
私見では、あの中国にて生き残っている歴史ある宗教という事実に何らかの意味がありそうで、レジリエンス、フレキシビリティ、といった概念も超えた何かがあるのかもしれないという興味深さがある。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?