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ホロコーストを疑っている人のために

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かつてナチスドイツが行ったホロコーストを「なかった」という人たちがいます。それらの主張の代表的なものを、ある海外サイトを参考に論破する試みです。
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#アウシュヴィッツ

ポーランドの戦争犯罪証言記録サイトに見る殺人ガスの証言証拠(7)

久しぶりに、ポーランドの戦後裁判での証言を中心に公開されているChronicles of Terrorから、ガス室関連の証言の続きを翻訳して公開します。前回までで概ね100余の証言を紹介しています。当該サイトには「Witness -> Crimes ->Gas chamber」で検索して、概ね500人(複数回の証言含む)くらいの証言があり、まだまだ紹介できるものがあると以前から思っていて、それらを翻訳しないのは勿体無いと思っていました。「Gas chamber」以外を含めると

アウシュヴィッツの「絶滅の痕跡は発見できなかった」とする赤十字の報告書について。

最近(2024年2月現在)、X方面を中心に、昔の赤十字のある一つの報告書画像がかなりの量、拡散されています。私が最初に見たのは、2023年頃から目につくようになった活発にホロコースト否定を行うアカウントが現れ、そのアカウントが投稿したポストです。多分すでに何回もポストしてるようです。 この文書は見たことがありませんでした。国際赤十字を悪用したホロコースト否定論についてはいくつか記事を、Holocaust Controversiesブログサイトなどから翻訳して紹介したり、自分

『アウシュヴィッツ「ガス室」の真実』に真実はあるのか?(6)

『アウシュヴィッツ「ガス室」の真実』に真実はあるのか?(1) 『アウシュヴィッツ「ガス室」の真実』に真実はあるのか?(2) 『アウシュヴィッツ「ガス室」の真実』に真実はあるのか?(3) 『アウシュヴィッツ「ガス室」の真実』に真実はあるのか?(4) 『アウシュヴィッツ「ガス室」の真実』に真実はあるのか?(5) 第5章までやって、もうそれで終わりにしよっかなー、とか思ってました。何故って、この西岡本に反論し続けても、私自身何も得ることがないからです。これまで、海外の記事の翻訳を

『アウシュヴィッツ「ガス室」の真実』に真実はあるのか?(5)

『アウシュヴィッツ「ガス室」の真実』に真実はあるのか?(1) 『アウシュヴィッツ「ガス室」の真実』に真実はあるのか?(2) 『アウシュヴィッツ「ガス室」の真実』に真実はあるのか?(3) 『アウシュヴィッツ「ガス室」の真実』に真実はあるのか?(4) 『アウシュヴィッツ「ガス室」の真実』に真実はあるのか?(5) ある意味、今まで色々ホロコースト否定論について記事にしてきた中で、最もメンドクサイ作業をしているような気がしてならないシリーズの第5回目です。やり始めても終わらせられな

『アウシュヴィッツ「ガス室」の真実』に真実はあるのか?(4)

『アウシュヴィッツ「ガス室」の真実』に真実はあるのか?(1) 『アウシュヴィッツ「ガス室」の真実』に真実はあるのか?(2) 『アウシュヴィッツ「ガス室」の真実』に真実はあるのか?(3) 『アウシュヴィッツ「ガス室」の真実』に真実はあるのか?(4) 『アウシュヴィッツ「ガス室」の真実』に真実はあるのか?(5) 今回もかなり長く、三万五千字近くあります。最初は全面反論する気はなかったのですが、ほとんど全面反論になってしまってます。いちいち細かいことを調べる癖もついており、そこで

『アウシュヴィッツ「ガス室」の真実』に真実はあるのか?(3)

『アウシュヴィッツ「ガス室」の真実』に真実はあるのか?(1) 『アウシュヴィッツ「ガス室」の真実』に真実はあるのか?(2) 『アウシュヴィッツ「ガス室」の真実』に真実はあるのか?(3) 『アウシュヴィッツ「ガス室」の真実』に真実はあるのか?(4) 『アウシュヴィッツ「ガス室」の真実』に真実はあるのか?(5) この本、やたらと「後で述べますが」が多いんですよね。全部読んで欲しいための策略でしょうか? こっちは多くの話題についてはすでに色々と記事にしているので、ネットですからリ

『アウシュヴィッツ「ガス室」の真実』に真実はあるのか?(2)

『アウシュヴィッツ「ガス室」の真実』に真実はあるのか?(1) 『アウシュヴィッツ「ガス室」の真実』に真実はあるのか?(2) 『アウシュヴィッツ「ガス室」の真実』に真実はあるのか?(3) 『アウシュヴィッツ「ガス室」の真実』に真実はあるのか?(4) 『アウシュヴィッツ「ガス室」の真実』に真実はあるのか?(5) 「第2章「ユダヤ人絶滅計画」は実在したか?」について「ドイツは何をしようとしたのか?」について 西岡はここで以下のようにホロコースト(ユダヤ人絶滅)の定説を定式化しま

『アウシュヴィッツ「ガス室」の真実』に真実はあるのか?(1)

『アウシュヴィッツ「ガス室」の真実』に真実はあるのか?(1) 『アウシュヴィッツ「ガス室」の真実』に真実はあるのか?(2) 『アウシュヴィッツ「ガス室」の真実』に真実はあるのか?(3) 『アウシュヴィッツ「ガス室」の真実』に真実はあるのか?(4) 『アウシュヴィッツ「ガス室」の真実』に真実はあるのか?(5) 『アウシュヴィッツ「ガス室」の真実』に真実はあるのか?(6) 日本語で書かれたホロコースト否定論の著書は、私の知る限り、以下の四つがあります。 木村愛二氏の『ヒトラー

アウシュヴィッツでの野外火葬は不可能だったのか?

ホロコースト否定論に興味を持ち、少しでもそれを調べ始めた人ならば、イタリア人修正主義者のカルロ・マットーニョの名を聞かないわけにはいきません。何故なら、マットーニョの著作量たるや、凄まじいものがあるからです。以下を見れば一目瞭然です。 ゲルマー・ルドルフの出版社であるキャッスルヒル出版が出しているホロコースト・ハンドブック・シリーズの出版数で、マットーニョは二位のグラーフの3倍も出してます。 マットーニョが何故これほど著作数が多いのか? 理由はよくわかりません。マットーニ

ルドルフ・レポート 第6章

今回一部だけ翻訳する、いわゆる『ルドルフ報告』は、修正主義者のゲルマー・ルドルフによって書かれたものですが、彼は、歴史学修士しか資格を持たなかったフレッド・ロイヒターとは違って、ドイツの誇る有名な研究機関であるマックス・プランク研究所で臨時研究員を務めるほどの化学的知見のある化学者でした(但し、博士号は彼がホロコースト否定に加担した経緯で取得できなかった)。 従って、間違いだらけの、一つの参照文献すらないインチキ報告書としか言いようのないロイヒター・レポートとは異なり、ルド

ホロコースト論争ブログが『ホロコースト論争』動画を論破するシリーズ、はじめました。

YouTubeやニコニコ動画にある『ホロコースト論争』の動画シリーズをご存知の方もおられると思います。日本の修正主義者には大変人気のようで、それらの人は大抵知っていると思いますが、公開から5年も経っているのにその最初の動画の再生回数は2023年8月現在、9万回にも達していないので、全体としては全然不人気ではあります。多分、動画の作り方が、文字による説明(と機械音声)がほとんどで、動画としては質が低く、面白みに欠けるからだと思います。否定論ではありませんが、アウシュヴィッツ収容

マットーニョの論文:ビルケナウの死体安置室:ガスシェルターか消毒室か?

この記事は、単にイタリア人修正主義者のカルロ・マットーニョによる下記の記事を翻訳しただけのものです。 それだけではちょっと不親切なので、簡単に解説しておきます。 いわゆるアウシュヴィッツ収容所には殺人ガス室があり、おおよそ100万人のユダヤ人(以外も若干いた)をそこで害虫駆除剤のチクロンBから発生するシアン化水素ガス(青酸ガス)で殺害したと言われている。 一般に言うアウシュヴィッツ収容所は、ポーランドのオシフィエンチムにあって、およそ50の収容所サイトからなる収容所群の

ガス室から死体を搬送する際に、タバコを吸ったり食べ物を食べたりしたって?〜フォーリソンのアホ話。

フォーリソンは2018年10月21日に亡くなったので、これを書いている現時点で4年半程度経ちましたが、それくらいで信者がいなくなるわけでもないでしょう。というか、ほんとにフォーリソンの信者は多いようで、日本でもその人気はずば抜けているところがあります(ような気がするという程度ですが)。 ゲルマー・ルドルフをホロコースト否定の化学・出版物担当とすればフォーリソンは紛れもなくホロコースト否定教の教祖(開祖ではない)です。1970年代から修正主義者として活動していたそうですが、フ

ゲルマー・ルドルフ宣誓供述書への反論(2)

ロイヒター・レポートの発表以来、多くの正史派・アンチ修正主義派側の人たちは、レポートの内容について批判してきました。中でももっとも反論の対象となったのは、害虫駆除室と殺人ガス室跡におけるシアン化物残留濃度の大幅な差について、です。 ロイヒターレポートでは、害虫駆除室のシアン化物残留濃度の検出値は約1,000mg/kg(採取試料1kg換算あたり約1,000mg)だったのに対し、殺人ガス室では0〜10mg/kg程度とあまりにも大きな濃度差があったのです。これにより、確実にシアン