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ツメキリから考える顧客の痛み

もしお風呂上がりの柔らかい爪を切って、パチンと鳴ったら、買い換えどきのツメキリです。

良いツメキリはパチンと鳴りません。

「サクッサクッ」という感覚だけが手に残ります。
あまりにスムーズに切れるので音が鳴らないということです。

実はパチンと鳴るのは気持ちよいかもしれませんが、実は爪に負担がかかっています。切っているのではなく、鈍った刃でぐぐぐっと爪を押しつぶしているからです。

そのため、押しつぶすのがあまりにも早いからパチンと鳴るわけです。
爪に負担が大きく、割れることもあります。

ツメキリはめったに買い換えず、5年-10年使い続けることも少なくありません。よく考えれば、爪切りは刃物です。研がずに何年も使えばなまくらになっていきます。なまくらで切れば爪にも負担が出るわけです。

爪を切って割れたら買い換え時と考えても良いかもしれません。
良い詰めきりとは爪への負担が少ないツメキリです。

 

 「分かりやすい」「分かりにくい」製品の耐用性

物がどれくらいの間、効力を発揮するのかという概念に耐用年数、耐用性があります。

使っていてそろそろ買い換え時だなと分かりやすい製品と、分かりにくい製品があります。

分かりやすい耐用性
分かりやすいのは、動かなくなったもの。つまり故障です。

・鍋の取っ手のプラスチックが古くなって割れてしまった
・長く使っていた洗濯機が動かなくなってしまった

特殊な見方をすると、企業の保守サポート(修理用部品の供給を止めたもの)が切れたものも該当します。

分かりにくい耐用性
分かりにくいのは、徐々に機能が落ちていく物です。

・冒頭で紹介した、研ぐことが難しい爪切り
・埃が詰まったり、ファンの回転数が落ちたドライヤー
・乾かなくなった乾燥機付き洗濯機

これらは徐々に性能がおちるので、無理に使い続けることができてしまう製品です。いつか我慢できなくなったときにようやく買い換える製品となります。

買い換え時を顧客にどう案内するかを考える
顧客が性能の落ちた製品を我慢して使いつづけている状況はたくさんあるでしょう。

顧客は長く製品を使えることが品質が高い証だと考えるため、企業側は率先して耐用年数を伝えることに臆病となります。ほかの企業に乗り換えられることに恐怖するのです。その結果、顧客は「良い製品を使っているんだ」と思い込んだまま、我慢することになります。

アグレッシブな観点で見れば、企業は顧客との関係に臆病になって、顧客の苦痛を放置しているとも言えます。

これから買い換えのタイミング、または修理修繕のタイミングを適切に顧客に案内できるようになることは重要になっていくでしょう。プロダクトマネジメントとして重要な要素となっていくのではないかと思います。

 

ツメキリで感動してみる

ツメキリを長く買い換ずに使い続けているときは、貝印のツメキリをオススメします。

ツメキリは実は手用、足用、巻き爪用などたくさんの種類があるのですが、使い分ける方は少ないでしょう。私が使い続けているベーシックなものをオススメします。1000円で感動できるのでオススメです。


ほかにも自分の身の回りにある、徐々に効力が落ちてくる製品を見てみましょう。我慢して使っている場合は、顧客の痛みを学ぶ機会になります。

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